腹から下腹部にかけて激しい痛みを伴う尿路結石。
尿路結石はさまざまな症状があり、放置していると激しい痛みがあります。
また、尿路結石は体の中でも腎臓や尿管・膀胱などのさまざまな場所にでき、痛みを感じずに大きくなってしまう場合もあるため、注意が必要です。
そこで今回は、北海道の旭川市にある神楽丘泌尿器科が尿路結石の症状についてご紹介します。
部位別の痛みや前兆についても解説しているので、尿路結石の疑いがある方は最後までご覧ください。
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など
尿路結石の症状とは?
尿路結石は主に腹から下腹部にかけて激しい痛みを伴うことで知られています。
しかし、尿路結石はできる体の部位によって痛みの感じ方や感じる場所が異なり、無症状で経過する場合もあります。
また、排尿痛や血尿を通して異変に気づき、尿路結石になっていることが発覚する方も少なくありません。
痛みが伴う場合や血尿はすでに治療が必要な段階まで尿路結石が進行している状態になるため、気になる症状が出た際にはすぐに泌尿器科に足を運びましょう。
男性の尿路結石の前兆と初期症状
男性の尿路結石の前兆は、次のとおりです。
- 残尿感がある
- 排尿痛がある
- 尿が濁っている
- 尿の量が減った
- トイレが近い
たとえば、トイレに行ったのにもかかわらず、残尿感がある方や排尿痛を感じる方は、尿路結石の前兆が現れている可能性があります。
背中から脇腹にかけて鈍い痛みを感じる場合や、血尿が出ている場合は初期症状が現れている可能性があるため、注意が必要です。
ほかにあげられる初期症状は、以下があげられます。
- 嘔吐
- 残尿感
- 頻尿
- 腰痛
尿路結石に伴い痛みが強い場合は、身体が危険信号を知らせるために反射で吐き気・嘔吐が生じる場合があります。
また、結石が膀胱近くまで下がっている場合は残尿感や頻尿になりやすいです。
強い痛みが何度も繰り返される場合は、泌尿器科を受診しましょう。
女性の尿路結石の前兆と初期症状
女性の尿路結石の前兆は、普段とは異なる違和感から始まります。
男性の場合は血尿が出た際に違和感をすぐに感じられますが、女性の場合は月経痛や経血の影響から前兆に気づきにくい傾向にあります。
たとえば、月経が過ぎたのにもかかわらず、尿に違和感を感じる場合は尿路結石の前兆の可能性があります。
また、女性のなかには月経痛の影響から痛みに耐えやすくなり、筋肉痛のような痛みや背中の違和感が尿路結石の初期症状だったというケースもあります。
初期症状は男性と同様で、残尿感や腰痛・嘔吐などです。
違和感を感じる程度が初期症状になるため、排尿時に不審な点が出た際には泌尿器科に足を運んでみてください。
尿路結石の原因
尿路結石の主な原因は、男性と女性によって原因が異なります。
それぞれどのような原因から尿路結石になるか解説しているので、尿路結石の疑いがある方はチェックしてみてください。
【男性の原因】生活習慣の乱れや病気による影響
男性の尿路結石の原因は、次のとおりです。
- 水分摂取量の不足
- 大食い
- 肉類をよく食べる
- 運動不足
- ストレスの蓄積
- 塩分や糖分の多い食事の摂取
水分の摂取量が少ない場合は尿路結石になりやすい傾向があります。
また、動物性たんぱく質やシュウ酸の摂り過ぎなどが原因として考えられています。
シュウ酸を多く含む食材では、チョコレートやコーヒー、ほうれん草などです。(※)
たとえば、水分接種を行う際に、紅茶やココアを飲む方は、シュウ酸を多く摂取しており、尿路結石の原因に繋がる可能性があります。
水分摂取を行なう際には麦茶や水などを意識し、適度な運動を行いましょう。
ほかにもステロイドなどの薬を服用している方や高カルシウム血症などの病気にかかっている方は、尿路結石になりやすい傾向があるため、注意してください。
(※参照:「尿路結石症の食事(再発予防)」国立大学法人旭川医科大学)
【女性の原因】生活習慣の乱れや閉経による影響
女性が尿路結石になる原因は、生活習慣の乱れや閉経による影響があげられます。
生活習慣に関する原因は、次のとおりです。
- 水分摂取量の不足
- 大食い
- 肉類をよく食べる
- 運動不足
- ストレスの蓄積
- 塩分や糖分の多い食事の摂取
生活習慣に関しては男性と同様で、大きな差はありません。
水分を摂取する際に、コーヒーや紅茶が中心となっている方や、チョコレート・ナッツ類などを食べる機会が多い方は尿路結石になりやすいです。
ただし、女性の場合は閉経による影響があります。
女性は50歳代をピークに閉経が起きますが、閉経によるホルモンバランスの急激な変化が結石形成に大きく関与していると推測されています。
女性ホルモンの低下によって骨からカルシウムの流出を促し、尿中のカルシウム濃度を高めてしまうため、尿路結石になりやすいです。
男性と比べて尿路結石になる女性は少ないと考えられていますが、女性でも症状が発生する可能性があるため、注意しましょう。
尿路結石になるとどの辺が痛くなる?
尿路結石は、結石ができた部位によって痛みを感じる場所が変わるため、下記に該当する部分に痛みが感じたことないか確認してみましょう。
部位 | 痛みを感じる部位 | 痛みの感じ方 |
腎臓 | 腰部 | 鈍痛 |
尿管 | 側腹部から下腹部 | 刃物で刺すような痛さ |
膀胱 | 尿管 | やや痛い |
たとえば、尿管に結石ができた際には、側腹部から下腹部にかけて指すような痛みを感じます。
腎臓の場合は尿の流れを妨げなければ痛みを伴わず、発見が遅れてしまう可能性があります。
膀胱にできた場合は排尿時に痛みを感じる程度なので、気づきにくいです。
さらに、部位別の痛みに関する詳しい解説は下記で行っていますので、気になる方は本記事と合わせてチェックしてみてください。
尿路結石の痛みは場所で変わる!治療法も解説【神楽岡泌尿器科】
尿路結石は何日ぐらいで出る?
尿路結石が出る期間は、8日から22日が目安です。
自然排石の日数は結石のサイズによって異なるため、下記の表を参考にしましょう。
結石のサイズ | 平均日数 |
2mm以下 | 8日 |
2~4mm | 12日 |
4mm以上 | 22日 |
サイズが大きいほど、尿路結石が出にくい傾向があります。
こまめに水分摂取を行い、適度な運動や食事を意識しましょう。
尿路結石が出る前兆は?
尿路結石が出る前兆は、急激な痛みを発症したタイミングです。
痛みに関しては波があり、強くなったり弱くなったりします。
排尿をする際に血尿になっている場合や、背中から下腹部にかけて激しい痛みを感じる場合は結石が出る可能性があります。
尿管結石が石が出る瞬間は?
尿管結石が出る瞬間は排尿時に痛みが伴ったり、膀胱を刺激したりする傾向があります。
また、排尿時に結石が移動し、尿管を傷つけながら出るため、尿が血液混じりになり、色が濃くなりやすいです。
激しい痛みを感じる場合や尿の色が濃い際には、注意して尿をチェックしましょう。
まとめ
尿路結石は、腹から下腹部にかけて激しい痛みを伴い、痛みの位置によって結石ができている可能性がある位置が変わります。
規則正しい生活が行えていない場合は尿路結石になるリスクが高く、結石のサイズが大きくなってから発覚するケースも少なくありません。
激しい痛みを感じないために、尿路結石の前兆を感じた際には泌尿器科に相談しましょう。
当院 神楽岡泌尿器科では、院長直通無料メール相談も承っております。人には相談しづらいおしっこに関するお悩みや尿路結石に関するご質問など、お気軽にご相談ください。
尿路結石ができて治療が必要な方は、下記の記事も参考にご確認ください。
尿路結石の治療方法から予防法まで泌尿器科がわかりやすく解説
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など