女性に多い急性膀胱炎。薬を服用することによって治すことができますが,再発率が高いのがこの病気の特徴です。
そこで今回は,治療中に気をつけること,治療後に再発を防止するために気をつけることをご紹介したいと思います。
完治するまでに注意する6つのポイント
(1)暖かいもので十分に水分を補給しましょう(1日2000mlが目処です)
(2)尿が溜まっていないのに残尿感があるからといきんで排尿しないこと(ただれた膀胱粘膜が接触して症状を起こしているからです)、要するにちょっと溜まってからリラックスして排尿することです。
(3)下半身を冷やさないようにしましょう
(4)完全に治るまでは性生活は避けましょう
(5)お酒は控えましょう
(6)香辛料などの刺激物は控えましょう
お薬を服薬している方が守るべき3つのルール
(1)お薬は先生の指示通りに服薬しましょう
(2)自己判断で服薬を止めないで下さい。
…症状がなくなっても完全に菌が消えているとは限りません。自己判断で服薬を止めると,再発することがあります。
(3)他の医療機関で処方されているお薬や市販薬を服薬している場合は,先生に伝えてください。
急性膀胱炎の再発防止のために今日からできるたった6つのこと
(1)水分を多めにとりましょう(1日2000mlが目処です)、一気に飲まずに少しづつ(1時間かけてコップ1杯)
(2)トイレはガマンはせずにかつ、ちゃんと溜まってから(1回排尿量300mlが目処です。500ml以上が我慢しすぎ)
(3)いきんで排尿しようとしないこと(頑張っても残尿はなくならず、残尿感も良くならないからです)
(4)排泄後は前から後に拭きましょう
(5)生理用のナプキンやおりものシートはこまめに替えましょう
(6)ストレスや過労を避けましょう
次の2つが当てはまる方は注意が必要!先生にご相談ください
(1)再発を繰り返す場合
なんらかの病気(例えば膀胱結石,糖尿病,子宮筋腫,膀胱がんなど)が隠れていることがあります。
(2)悪寒・高熱・腹痛がある場合
炎症が腎臓に及んでいる(腎盂腎炎)可能性があります。
[用語解説]膀胱炎とは
大腸菌などの細胞が膀胱内で繁殖し,膀胱粘膜に炎症を起こす病気を膀胱炎といいます。特に女性に多く,主な症状としては,尿が近くなったり,排尿のときに痛みを感じたりします。
急性膀胱炎には抗菌薬がよく効きますが,再発することが多くあります。処方されたお薬は,症状が改善しても先生の指示に従い,きちんと最後まで服用しましょう。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など