「健康診断」と言っても会社で行われるもの、国で実施しているもの様々なものがありますが、これらの結果をちゃんと活かしてる方は数少ないと思います。受けた健診の内容によっては“要再検査”と通知されるものもありますが、ところどころH(ハイ)とかL(ロー)とか付いてても、“要再検査”と書かれていなければ大丈夫と思ってる方が多いのではないでしょうか?本当に健康診断の結果を今後のあなたの健康に活かすには、“要再検査”と付く日が来ないようにしなければなりません。とはいえ、聞きなれない検査項目の意味からひとりで調べるのは大変なこと。そんなときは、かかりつけ医に健康診断の結果を持って、相談に行きましょう。
正常値と大差ないから・・・と安心してはいけません。HやLが付くのは全体のたった1割
健康診断の中でも気になるのが血液検査の結果。
H(ハイ)=正常値より高い、L(ロー)=正常値より低いということがわかっても、それが何に対してどれほど影響のあることかまでわかる人は少ないと思います。また【正常値】と言っても、これらは長い統計の中の8割の人があてはまる数値ということで【正常値】とされているだけで、医学的にその値が本当の意味での“正常”なのかは言い切れない値です。H(ハイ)やL(ロー)は、その中心の値を示す8割以外、つまりH(ハイ)が付いてもL(ロー)が付いてもたった1割の人が入る数値と思えば、「正常値と大きな差はないから・・・」と安心できるものではないのです。
健康診断の結果をかかりつけ医に相談しましょう
たとえ“再検査”と書かれていなくても、H(ハイ)やL(ロー)が付いたら、その健康診断の結果を持って、普段通い慣れているかかりつけ医に相談してみましょう。内科に限らず、当院のような泌尿器科でも問題ありません。相談先によっては、あらためて再検査を・・・となる可能性もありますが、当院ではよほど異常値を示した結果でなければ、お持ちいただいた健康診断結果をもとに、解説いたします。その際には、できるだけ難しい医学用語は避けて、患者様にわかりやすいよう、「この値が高いとゆくゆくこんな病気になる可能性がありますよ」「この値が低いということは、こういうことに気をつけましょう」と今後気をつけるべきことを具体的にお話しします。
健康診断を受けるだけならどこでも同じ
健康診断にも色々と種類がありますが、行う検査は決まっていますので、どこでやっても同じです。
どんなに名医のいる病院で受けても、健康診断専門のセンターで受けても、診断結果をただ伝えることしかできない決まりになっています。肝心な健康診断の結果を受けてどうするか・・・という話は、その場でできないのです。その結果、本当は相談すべき値が出た人もよくわからないまま“要再検査”となるまで放置・・・ということになりかねません。生活習慣を見直すきっかけとして、健康診断の結果をうまく活用しましょう。
かかりつけ医の重要性
当院は泌尿器科ですが、地域のかかりつけ医として安心できる、やさしい医療を目指しています。
【泌尿器科】と聞くと、何か特別な恥ずかしいイメージを持たれる方もいらっしゃいますが、一般的な健康診断を受けることもできますし、先ほど述べたように健康診断の結果をご相談いただくことも可能です。通院が困難な方の場合は、初回だけは検査が必要な場合もあるのでご来院いただきますが、往診も対応しています(水・木・土の午後から予約にて)。また、健康なときから何かと通って相談しているかかりつけ医であれば、いざ本当に泌尿器科に相談したい症状が出ても、恥ずかしがることなく気楽に来ていただけるのではと思っています。当院には最新の高性能CTもありますから、健康診断の結果からメタボリックシンドロームを疑い、CTスキャンを行ってメタボリックシンドロームがわかり、健康指導を行い年に1回は検査に通っていただいてる患者さんもいます。CTスキャンからは、メタボリックシンドロームだけじゃなく、血流が滞り血栓が出来かけていることまで目に見えてわかりますので、患者様にもその画像を見ていただき、しっかりと認識していただけます。何かあったら、まずは相談してみようとお気軽にご来院いただければと思います。
※当院では、院長による無料メール相談を行っていますが、健康診断の結果等を無料メール相談で行うのはご遠慮ください。健康診断の結果相談はご来院いただいた際に対応いたします。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など