性病について
性病、正式には性行為感染症(STD:sexual transmitted diseases)といいますが、最近の性行動の近代化によって増加傾向にあります。初体験の若年化、不特定多数との性交渉、オーラルセックスの流行など、最近では性病の感染経路も多種多様になってきています。
昔は遊郭やソープランドなどの風俗店での感染がほとんどでした。お酒を飲みに行ってたまたま付き合いで行ったお店で不幸にも感染したというのが以前の感染様式でした。
しかし最近は一般の男女にも感染が広がっていて、その症状が我慢できる程度なため治療されずに放置されているのが現状です。ぜひ正しい知識を持って勇気を出して治療を受けてほしいものです。特に若い方は将来の結婚・妊娠など自分の家庭を持つときのためにも性病に対する意識を続けて持っていてほしいと思います。
性感染症(STD)とは?
性行為を介して感染する疾患の総称です。
男性では淋菌やクラミジアが原因でおこる尿道炎、ウイルスが原因でおこる性器ヘルペスや尖圭コンジローム、その他毛じらみや梅毒などがあります。
さらに患者数は少ないですがエイズや肝炎もSTDのひとつです。
参考リンク:ヘルペス情報サイト
男性に多いSTDは淋菌・クラミジアによる尿道炎
男性のSTDは80%以上が尿道炎です。尿道炎の大部分は淋菌とクラミジアが原因となります。同時に両方にかかる場合もあります。最近は症状の穏やかな尿道炎があり、気付かぬうちに感染していることが多くなっています。
間違っていませんか?あなたの性知識
性感染症は、オーラルセックスでも感染します!淋菌やクラミジアがいる場所は性器だけではありません。咽頭にも菌は存在しオーラルセックスによっても感染します。特に淋菌性尿道炎では、近年オーラルセックスによる感染頻度が増加しており、大きな問題となっています。
こんな症状が出たら危険信号
排尿痛
※淋菌感染では強い
※クラミジア感染では弱い
尿道分泌物
※淋菌感染では膿性で多量
※クラミジア感染では水っぽく少量
尿道掻痒感
※クラミジア感染のみ
外尿道口の発赤
※淋菌感染時の症状
別のウイルスや菌が一緒に感染していることもあります。症状だけで判断せず必ず検査を受けましょう。
相手が一般女性でも感染の危険性は同じ
女性はクラミジアに感染してもほとんど症状がでないため一般女性の間にもクラミジアは浸透しています。10代女性の25%がクラミジアに感染していたというデータもあり一般女性だから安心ということはありません。
淋菌性尿道炎とクラミジア性尿道炎の比較
淋菌性尿道炎 | クラミジア性尿道炎 | |
感染経路 | 性風俗女性に多い。 オーラルセックスによる感染が 増加している。 | 性風俗女性からの感染が減少し一般 女性からの感染が増加している。 |
発症時期 | 感染から4日前後 | 感染から10日前後 |
症状の程度 | 強い | 弱い |
早期診断・早期治療が原則!
淋菌性尿道炎・クラミジア性尿道炎は早期診断・早期治療によって確実に治る病気です。
検査と治療方法
尿から淋菌とクラミジアの両方を同時に検査することができます。原因菌がわかれば抗生物質を投与し、治療を行います。しかし放っておくと感染が進行し他の臓器に広がることもあります。
性病が見つかった場合
性病が見つかった場合には、あなたのお相手がすでに感染していることになります。パートナーも一緒に治療しなければ、性病を根治させることはできません。症状がない場合もありますので、注意が必要です。
最近は原因菌を見つけることが容易になってきています。おしっこを取っていただくだけで判定可能なものもありますので怖がらずに検査を受けてほしいと思います。当院ではメールでの結果報告・アドバイスもしていますので、ご相談ください。
必ずパートナーも一緒に治療しましょう
感染がわかった場合には必ずパートナーも一緒に治療しましょう。どちらかが感染している限りお互いに菌のやりとりをしてしまうピンポン感染を繰り返すことになります。さらに、淋菌とクラミジア感染は、女性の不妊症の原因となります。
治療中はアルコールを避け、規則正しい生活を心がけましょう。 感染しても簡単に治るからと安易に考えてはいけません。セックスで感染する病気には淋菌やクラミジアだけでなくエイズだってあります。とにかく感染しないことが一番です。
症状がなくなったからといって、薬の服用を自分で中止しないで下さい。必ず再診して治癒(菌が消えているか)を確認しましょう。
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