全3回に分けてご紹介する、便秘ケアの実践ガイド。
今回は【運動療法・マッサージ】についてご紹介します。
【過去記事一覧】
①食生活の見直し
②運動療法・マッサージ
運動療法で筋力を鍛える
腹筋が弱まると腸の蠕動運動が低下しやすくなり、排便時にも十分な腹圧をかけることができなくなります。
特に高齢者や運動不足の人では、筋力の低下が便秘を招いていることがありますので、腹筋を鍛える体操をできれば毎日行うようにしましょう(図1)。
腸を刺激するストレッチも、低下していた蠕動運動を正常な状態に回復させる働きがあり手軽にできる運動としてオススメです(図2)。
(図1)腹筋を鍛える体操
(図2)腸を刺激するストレッチ
マッサージで排便を促す
自分で運動ができない方は「腹部のマッサージ」を行うとよいでしょう(図3)。
腸に沿って腹部をマッサージすることで、腸が刺激されて排便が促され同時に便を下に下げることにも役立ちます(左下腹部に便が触れる場合は、指の腹を使いゆっくり下に押し下げると動くことがあります)。
また、腹式呼吸を長くゆっくりと行うことも筋力アップにつながります。
この他に、腰部を温めたり腹部を指圧することも、排便を促す働きがあります。
健康状態を考慮しできることから始めてみてください。
(図3)腹部のマッサージと指圧部位
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など