今回から全3回に分けて、「便秘かも?」と感じた場合や、医療機関で便秘(慢性便秘症)と診断された場合の対処法についてご紹介したいと思います。
食事や運動を含めた「生活習慣の改善」と「正しい排便習慣の確立」が基本となります。
①食生活の見直し
②運動療法・マッサージ
③正しい排便習慣の確立のために
①食生活の見直し
食物繊維の摂取について
食物繊維が豊富に含まれた食事は便の量を増加させ、これにより腸が刺激されて大腸の蠕動運動が活発になります。
また発酵食品の摂取は腸内環境を整える働きがあります。
下の表に便を柔らかく、かつ、腸の動きを活発にする食品をまとめました。
便秘をコントロールするためには、これらの食品を積極的に摂るようにしましょう。
●便秘対策に有効な食品
1日3食、適切な食事量をきちんと摂る
スムーズな排便には、適切な量の食事を摂ることも重要です。
特に若い女性では、ダイエットのために食事量を制限している場合があります。
食事量が少ないと便の量が不足して貯留に時間がかかり排便しにくくなってしまいますので、便の元となる1日3食しっかり摂ることが大切です。
水分摂取について
水分不足も便秘を起こす原因となります。
摂取される水分が少ないと、そのぶん大腸から吸収する水分量が増えて便は硬くなり排泄しにくくなります。
過剰な水分は尿として排泄されてしまうので、必要以上に摂取しても便秘解消にはつながりませんが、高齢者の場合はのどが渇きにくく水分不足に気づかないことがありますので意識して水分摂取を心がけるようにしましょう。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など