
「突然刃物で刺されたような激痛が出たけど、尿路結石はいつまで痛みが続くの…」
という悩みを抱えていませんか?
三大激痛に数えられる「尿路結石」は突然強い痛みを伴い、冷や汗や吐き気を招いてしまうケースも少なくありません。
尿路結石の場合は痛みが一瞬で終わらず、長続きします。
そこで尿路結石の痛みはいつまで続くのか、神楽岡泌尿器科医が解説していきます。
痛みが続く原因や痛みを和らげる方法も解説しているので、尿路結石の痛みで悩んでいる方は参考にしてみてください。
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など
段階で変わる!尿路結石の痛みの持続期間は3〜4時間
尿路結石の痛みは結石の大きさによって持続期間が変わり、小さいサイズであっても3~4時間痛みが続いてしまうケースも少なくありません。
また尿路結石の痛みは3~4時間持続しますが、数分おきに痛みの強弱「痛みの波」があるため、痛みが静まっても注意しましょう。
ただし、結石のサイズが小さいと3~4時間ですが、サイズが大きくなるほど痛みの持続時間が伸びるため、4時間以上経過しても激痛が収まらない場合は病院に足を運ぶのも検討してみてください。
なぜこんなに尿路結石の痛みが続いているの?原因を解説
尿路結石の痛みが続く原因は、結石が移動する際に尿管や尿道を傷つけているためです。
とくに尿路結石の約80%とされる「シュウ酸カルシウム」は硬度があり、金平糖のようなトゲがあります。
そのため、移動する際に尿管や尿道をひっかくような状態になって強い痛みを伴います。
また結石のサイズが大きくなってしまうと排尿する際に詰まってしまい、尿の流れが悪くなり腎盂が腫れて強い痛みを伴いやすいです。
詰まった状態で放置されていると、腎臓機能の低下を招いてしまう可能性があるため、尿路結石のような痛みを感じた場合は、早めに泌尿器科医に相談しましょう。
参照:厚生労働省
尿路結石の痛みを和らげる方法
尿路結石の痛みを少しでも和らげたい場合は、鎮痛剤や痛み止め成分を配合した座薬などを処方しましょう。
鎮痛剤や座薬を使うとすぐに痛みが和らぐというわけではありませんが、体内で薬用成分が消化されると痛みが軽減されますよ。
また痛みを和らげる方法として、寝姿勢や痛みのない姿勢を見つけて維持しましょう。
尿路結石は3~4時間と痛みの時間が極めて長いため、激痛を感じる姿勢でいると耐えられない状態になりやすいです。
痛みの強さから体が拒否反応を起こし、寒気や吐き気などを招いてしまう可能性があります。
尿路結石の強い痛みを感じた場合は、鎮痛剤を利用して痛みが軽減される姿勢をキープしましょう。
尿路結石の痛み|病院を受診する目安
病院を受診するタイミングは、排尿時に違和感を感じたり、血尿が現れたりした際には泌尿器科に足を運びましょう。
結石が10mmを超えるような大きさになってしまうと、自然排泄では対応できないため、手術が必要になります。
とくに耐えられないような強い痛みを感じた場合は、結石が既に大きくなっている可能性があります。
少しでも排尿時に違和感を感じた際には、時間を見つけて泌尿器科にて相談して観るようにしましょう。
尿路結石にならないために日頃からできることがある
尿路結石は、一度発症すると泌尿器科と縁が切れないほど繰り返しやすいといわれています。あの激しい痛みを二度と経験しないために、日頃から気をつけるべき予防方法をご紹介します。
- 1.シュウ酸を多く含む食べ物や飲み物を摂取しすぎない
- 2.偏りのない栄養バランスを意識した食生活を心掛ける
- 3.1日60分以上の有酸素運動を生活に取り入れる
- 4.1日2,000mlを目安に水分摂取を行う
1、シュウ酸を豊富に含む食材を摂取しすぎない
尿路結石になりたくない場合は、ほうれん草やブロッコリー、ピーナッツなどのシュウ酸を多く含む食材は摂りすぎないようにしましょう。
シュウ酸の多い食品は、以下があげられます。
シュウ酸が多い食材 | |
食べ物 | ほうれん草・たけのこ・さつまいも・チョコ・バナナ |
飲み物 | コーヒー・ココア・緑茶・紅茶 |
参照:国立大学法人旭川医科大学
食材の他にも、シュウ酸はコーヒーや紅茶にも含まれているため、水分補給として摂取しすぎるとかえって結石を生む原因に繋がる場合があります。
シュウ酸を多く含む食品を食べる際には、カルシウムを含む食事を同時に食べることで、便として排出されやすいです。
2、偏りのない栄養バランスを意識した食生活を心掛ける
尿路結石の予防には、偏りのない栄養バランスを意識した食生活が大切です。シュウ酸を多く含む食材を過剰に摂取しないことも重要ですが、基本的にはさまざまな栄養素をバランスよく摂ることが予防につながります。
特定の食べ物だけが効果的というわけではないため、一つの食品に偏らず、適切な水分補給とともに、バランスの取れた食事を心がけましょう。
3、1日60分以上の有酸素運動を行う
1日60分以上の有酸素運動を行うと、生活習慣病を防ぎやすくなるため、尿路結石になる可能性を下げられます。
1日60分以上の運動は約8,000歩以上が目安となっており、息が弾み汗を掻く程度が良いです。
外で行える場合はランニングやウォーキングがおすすめで、室内で運動したい方はエア縄跳びや階段昇降などが手軽に行えます。
生活習慣病や尿路結石を患わないために、毎日有酸素運動を行う習慣を取り入れましょう。
参照:厚生労働省
4、1日2Lを目安にした水分摂取を行う
尿路結石を避けたい場合は、食事以外で1日2Lを目安に水分摂取を行いましょう。
500mlのペットボトルを4本摂取するイメージで、水分は水やお茶が好ましいです。
理想的なのは朝起きたタイミングから1時間ごとに100ccずつ摂取すると、体に負担なく摂取できます。
水分不足は血中濃度を上げてしまうため、尿路結石を避けるためにもこまめに水分を取りましょう。
まとめ
尿路結石はいつまで続くのかと感じるぐらい痛みが持続しますが、激痛に耐えられない場合は鎮痛剤を使用して楽な姿勢をキープしましょう。
結石のサイズが大きくなるほど体に負荷がかかったり、尿管や尿道を傷つけたりしやすいです。
結石が大きくなりすぎると手術でしか取り除けないため、排尿時に違和感を感じたり血尿が現れたりしたときは、素早く泌尿器科医に足を運びましょう。
神楽岡泌尿器科では、院長直通の無料メール相談も承っています。尿路結石に対して不安に感じていることがある方は、お気軽にご連絡ください。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など