「いまHIV検査中なんだけど、もし陽性が出てしまったらどうしよう」
「陽性が出たら以前までの生活は送れなくなるのかな……」
今回はそんな方のために、HIV検査で陽性を受けてから日常復帰するまでの流れをわかりやすく説明します。
結論からいいますと、HIV検査で陽性だったり、エイズになっていることが判明したりしても、現代の医療にかかれば、問題なくほぼこれまで通りの日常を送ることが可能です。
大切なのは、検査結果を冷静に受け止めて、適切な治療を受けること。自分のためにもパートナーのためにも、焦らず慌てず対処しましょう。
HIV検査で陽性だからといって「AIDS(エイズ)」が確定したわけではない
しばしば、「HIV検査で陽性=AIDS(エイズ)確定」と考える方がいらっしゃいますが、必ずしもそうと決まったわけではありませんし、AIDS(エイズ)は今や“不治の病”ではなく、適切な治療を施せば、免疫力を維持し続けることが可能です。
中には、「エイズにかかった=死んでしまう」と大げさに捉えてしまう方もいらっしゃいますが、治療せずHIVウイルスを放置しているような状況が起こらない限り、そうした最悪の結末を避けることができます。
ですから、仮に陽性が出たとしても悲嘆せずに、冷静に状況を捉えて、前向きに治療に臨んでくださいね。
HIV検査で陽性になってから安心して日常復帰するまでの流れ
①まずは医療・サポート機関でエイズ診断を受けよう
HIV検査で陽性が出たら、HIVウイルスが合併症を引き起こしていないかどうかを調べる必要があります。
その検査で合併症を引き起こしていることがわかると、正式に「エイズを引き起こしている」という判断を下すことになります。
②医療従事者と相談しながら治療を続ける
エイズ治療は投薬で行います。人それぞれライフスタイルは異なりますので、一人ひとりに合った治療の仕方をかかりつけの医師と相談していきましょう。
適切な治療を続ければ、エイズ以前の頃とほとんど変わらない生活を営むことができます。もちろん、スポーツや仕事もいままでと同じように続けられますよ。悲嘆せずに、前向きに治療に臨んでくださいね。
③二次感染・再感染を予防する
セーフセックスを心がければ、HIV検査が陽性でもパートナーと性交渉を行うことができます。
ただしHIV感染が見られるような場合は、クラミジアや梅毒などの他の性行為感染症を合併している場合があります。逆にこれらの症状の出る性行為感染症に繰り返しかかっているような方にHIV感染も見られることがあるのです。
パートナーとともに性行為感染症の予防に心がけましょう。
ところで、渋谷院長先生はどんな人?
【著作・メディア掲載など】
- 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行
- 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
- 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
- 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など