① HIV エイズの基礎知識 どんな症状?
・HIVとは
HIVとは、人免疫不全ウイルスのことで、私たちの身の回りにある様々な病原体から身を守ってくれているリンパ球やマクロファージ(CD4陽性リンパ球)等の免疫細胞に感染するウイルスのことです。つまり、このウイルスが感染することで免疫力が低下してしまい、病気にかかりやすくなってしまいます。(HIV:Human Immunodeficiency Virus)
・エイズとは
エイズ(AIDS)とは、後天性免疫不全症候群のことで、HIVがTリンパ球やマクロファージ(CD4陽性リンパ球)などに感染した結果、免疫に大切な細胞が体の中から減少していき、普段は感染しない病気にもかかりやすくなります。この免疫不全による状態をエイズといいます。(AIDS:Acquired Immuno-Deficiency Syndrome)
② HIV 感染経路
ケース1 性行為
HIV感染は、性行為による感染が最も多いです。
女性は、膣粘膜から、性交による精液に含まれるHIVが侵入することで感染します。
男性は、性交によって生じる亀頭部分(粘膜)の細かい傷から、膣分泌液に含まれるHIVが侵入することで感染します。
男性同性間の性的接触では、腸管粘膜から精液中のHIVが侵入します。機械的な刺激の強い膣や口腔の粘膜は重層ですが、腸管粘膜は単層であることから傷つきやすいため、HIVが侵入しやすく、膣性交よりも感染リスクが高くなります。
ケース2 血液感染
輸血、注射器・注射針の共用、医療現場による針刺し事故などから、感染者の血液が他のヒトの血管中に侵入することにより感染します。
輸血については、日本赤十字社で全ての献血血液について厳格なHIV検査を実施しているため、感染の危険性は極めて低いのが現状です(ただし、献血のHIV検査結果は献血者本人にはお伝えしていません)
医療現場による針刺し事故は、主に医療従事者に関係することです。
注射針の安全な取り扱い、適切な廃棄が重要となります。
万が一、HIV感染者の血液により暴露事故が起こった場合は、2時間以内に抗HIV薬の予防内服を行うことで、感染の危険性を低下させることができます。
③ 不安・パニックにならずに落ち着いて検査
●HIV検査とは
HIV検査は、エイズ(後天性免疫不全症候群)の原因ウイルスであるHIVに感染しているかどうかを調べる検査です。HIVに感染すると、体内でHIVが増え、HIVに対する抗体が産生されます。
HIV検査は、血液の中にHIVに対する抗体の存在を調べる「抗体検査」が一般的ですが、早い時期からの感染を見つけるために、HIVが増殖しはじめた時点でウイルス遺伝子を調べる「核酸増幅検査(NAT検査)」やHIVを形成するタンパク質を調べる「抗原検査」、抗体と抗原が同時に測定できる「抗原抗体同時検査」があります。
参照元:【HIV検査横断マップ】
●HIV検査の流れ
HIV検査は、最初に「スクリーニング検査」を行い、陰性であれば「HIV検査陰性」となります。陽性になった場合は、引き続き「確認検査」を実施し、確認検査で陽性であれば「HIV感染」、陰性であれは「HIV検査陰性(スクリーニング検査の偽陽性)」となります。スクリーニング検査の陽性には、HIV感染による「真の陽性」と、HIVに感染していないのにも関わらず、非特異反応により陽性となる「偽陽性」も含まれているため、確認検査は必ず行わなければなりません。
HIV・エイズは、しっかりとした知識をもっておけば予防することもできますし、万が一感染してしまってもしっかりと対処もできます。
どんな病気でも早期発見、早期治療があなたの今後の未来につながります。
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【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など