前立腺とは
前立腺は男性だけにある臓器で、膀胱のすぐ下にあり尿道をドーナツ状に取り囲んでいます。
正常な前立腺は栗の実くらいの大きさで重さは成人の男性で20g前後です。前立腺では精液の一部である前立腺液を作っていますがその他の働きについてはまだ完全にはわかっていません。
前立腺肥大症とは
前立腺は年齢を重ねるにつれて大きくなってきます。しかし前立腺が大きくなりすぎると、尿道が圧迫されオシッコが出にくくなったり、頻繁にトイレに行きたくなるなどの症状が現れます。
前立腺肥大症による排尿障害
前立腺が肥大してくると尿道が圧迫されオシッコが出にくくなります。
(機械的閉塞)
肥大した前立腺の中にある平滑筋という筋肉が交感神経の働きによって過剰に尿道を締めつけるようになります。
(機能的閉塞)
前立腺肥大症患者は毎年増加しています
前立腺肥大症を放っておくと尿閉という全くオシッコが出せなくなる危険な状態になる場合もあります。また尿閉はアルコールが原因で起こりやすく、お酒の席で突然倒れることもあります。「歳(トシ)のせい」とあきらめず気になったら早めに医師に相談しましょう。
こんな症状はありませんか?
中高年の男性に起こりやすい、頻尿や残尿感。
「前立腺」は精液になる前立腺液をつくる、男性だけのある生殖器官です。早い人は40歳代から多くは50歳代か前立腺が肥大していきます。その原因はまだよくわかっていません。
年齢とともに進行して尿道を圧迫するようになると、排尿に伴うさまざまな症状が現れてきます。これが「前立腺肥大症」です。70歳代で約70%・80歳代では約80%に前立腺肥大があるとされています。
しかし前立腺肥大のある人すべてに症状が現れるわけではありません。尿を押し出す膀胱の筋肉が強かったり肥大する方向などによっては症状が現れないこともあります。一般に泌尿器科を受診するような強い症状が現れるのは前立腺肥大のある人の30~40%程度でしょう。
前立腺肥大症の症状
健康な人は尿の出がよく短時間で排尿が終わる。しかし前立腺肥大症になると尿道が圧迫されて尿の勢いが弱まり排尿時間が長くなる。肥大した前立腺が膀胱の出口を刺激することでトイレに頻繁に行くようになる。前立腺肥大が進むと膀胱のなかの尿を1回で出し切れなくなり尿が残るようになる(残尿)。
ただ残尿が起こり始める時期には排尿後も何となくすっきりしない「残尿感」があり頑張って尿を出そうとする。さらに進行すると残尿感を感じなくなる。すると膀胱に多量の尿がたまり膀胱の壁に一部が風船のように膨らんで突き出る「膀胱憩室(ぼうこうけいしつ)」も起こってくる。
また膀胱の壁も厚くなってきて尿を勝手に押し出そうとするため失禁してしまうこともある。だが前立腺肥大症の影響はそれだけにとどまらない。
残尿が続くと膀胱に結石ができやすくなります。膀胱結石ができると細菌感染を起こしやすくなり細菌が尿管を上がっていくと『腎盂腎炎(じんうじんえん)』を発症することがあります。さらに残尿で膀胱が満杯になると腎臓にも影響して『腎機能障害』を起こす危険も出てきます。
【排尿の勢いを調べる検査】
グラフは同じ量の尿の出る勢いを比べた例。健康な人は勢いがよく20秒程度で排尿が終わっているが前立腺肥大症の人は勢いが弱く、時間も長くかかっている。
前立腺がんについて
前立腺肥大症の予防・治療
前立腺肥大についての記事
・前立腺肥大症と性機能 ・前立腺炎 ・前立腺肥大症と残尿 ・クラミジア性前立腺炎 ・前立腺炎とソケイ部痛 ・前立腺肥大症~水分の取り方 ・前立腺肥大症 ・前立腺肥大症~症状 ・前立腺肥大症~症状チェック ・前立腺肥大症~薬物療法 ・前立腺肥大症~症状