「リュープロレリン」に関するよくある質問 Q&A

前立腺がんの内分泌療法について、これから7回にわたってご紹介しています。
最終回 第7回目の今回は、「リュープロレリン」に関するよくある質問 Q&Aをご紹介いたします。

関連記事:前立腺がんの「内分泌療法」ってどんな治療法?
関連記事:内分泌療法の効果と使われる薬について
関連記事:「リュープロレリン」とは、どのような薬ですか?
関連記事:リュープロレリンの投与スケジュールや身体の変化
関連記事:リュープロレリン注射部位の注意や変化
関連記事:リュープロレリンの副作用

Q薬による内分泌療法は一生続ける必要があると聞いたのですが、本当ですか?

A原則として、生涯にわたって薬物療法を継続する必要があります。

内分泌療法は、ガンを死滅させるのではなく、ガンの増殖を抑えることを目的とした治療です。注射剤や内服薬などにより去勢状態を維持させることで効果が得られる治療ですので、原則として、生涯にわたって薬物療法を継続する必要があります。薬を計画的にやめてガン細胞のホルモン感受性を保つ治療法(間欠療法)もありますが、この場合も「中断」するだけで、薬をやめることはありません。

Q前立腺全摘除術や放射線療法を受けずに、薬だけで完治できないのですか?

A薬だけで前立腺ガンを完治させることは、現時点では困難です。

薬だけで前立腺ガンを完全に死滅させる(完治させる)ことは、現時点では困難で、ガンの進行を抑えることが目的となります。しかし、前立腺がんはもともと高齢者に多く進行の遅いものが多いため、ガンの状態や患者さんの身体の状態、年齢などによっては、副作用の少ない内分泌療法でガンの進行を抑え、伊丹などの辛い症状を感じることなく天寿を迎えることも不可能ではありません。

Q内分泌療法が効かない前立腺がんもあるのですか?

A内分泌療法に全く反応を示さない前立腺がんも存在します。

前立腺ガンに対する内分泌療法の有効性はとても高く、未治療の前立腺ガンの場合、90%近くが内分泌療法に反応を示します。一方、前立腺ガンの中には、内分泌療法に全く反応を示さないもの(不応)も存在します。これは、ガン細胞のアンドロゲン依存性が細胞によって様々に異なる為と考えられています。内分泌療法により当初は十分に効果がみられた場合でも、約半数が数年の経過を経てその効果が持続しないこと(再燃)があります。内分泌療法が徐々に効かなくなってきた場合には、作用のしくみが異なる薬に切り替えると、効果がみられることがあります。

Qリュープロレリンの治療で痛みが軽減してきました。治療をやめても問題ないでしょうか?

Aご自身の判断で治療をやめないで、担当の医師とよく相談してください

リュープロレリンによってガンが縮小し、症状は軽減しますが、これは継続的な治療によって、アンドロゲンを低く維持でき、治療効果が出ているためです。治療を中止すれば、アンドロゲンの分泌が回復するので、それに伴って症状が悪化する可能性があります。症状がよくなったからといって、ご自身の判断で治療をやめないで、担当の医師とよく相談してください。