リュープロレリンの副作用

前立腺がんの内分泌療法について、これから7回にわたってご紹介していきます。
第6回目の今回は、「リュープロレリンの副作用」をご紹介いたします。

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Qリュープロレリンの副作用について教えてください

A閉経女性にみられるような症状が現れることがあります

男性の身体は、アンドロゲンによって男性らしく健康に保たれています。ところが、リュープロレリンによる内分泌療法を行うとホルモンのバランスが崩れるため、閉経女性にみられるような不快な症状が現れることがあります。

初回投与期の副作用アンドロゲンの一過性増加に伴って、進行がんでは骨疼痛の一時的な悪化、尿路閉塞、脊髄圧迫が起こることがあります。

継続治療中の副作用アンドロゲン低下に伴う男性更年期様症状、性欲減退、骨折などがみられることがあります。

注意すべきまれな副作用まれにではありますが、同種・同効薬では以下のような副作用を生じることが報告されています。

間質性肺炎、アナフィラキシー様症状、うつ状態、肝機能障害や黄疸、糖尿病の発症または増悪、下垂体腺腫患者さんにおける下垂体卒中、心筋梗塞、脳梗塞、静脈血栓症、肺塞栓症等の血栓塞栓症、心不全

男性更年期様症状について

がんと診断されたことに加えて、内分泌療法中にアンドロゲンの低下や、様々なストレスからうつ状態になる男性も少なくありません。
ご自身の体のこと、ご家族のこと・・・。いろいろ考えて、不安になったり、落ち込んだりすることは、ごく自然な心の動きです。また、勃起不全や性欲減退などの性機能障害もストレスの一因になります。
しかし、心身ともにつらい状況が続くと、考え方も否定的になり、治療を続けることが難しくなります。
以下のような症状に心当たりがあれば、ためらわずに医師や看護師にご相談ください。

男性更年期様症状

精神的症状不安イライラうつ不眠集中力の低下記憶力の低下疲労感

身体的症状筋力低下、筋肉痛ほてり、発汗頭痛、めまい、耳鳴り倦怠感頻尿

性機能の低下性欲の減少勃起障害