前立腺がんの内分泌療法について、7回にわたってご紹介しています。
3回目の今回は、前立腺がんの内分泌療法に使用される薬「リュープロレリン」の作用についてご紹介いたします。
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Q「リュープロレリン」とは、どのような薬ですか?
A前立腺がん細胞の増殖を抑えるお薬です。
リュープロレリンは、高活性LH-RHアナログ(性腺刺激ホルモン放出ホルモン類似物質)の注射薬で、製剤は細い針で投与できるマイクロカプセルを用いて、徐放性に工夫がされています。長時間作用することで精巣由来のテストステロン産生を抑制し、前立腺がん細胞の増殖を抑える効果があります。1回の注射で1か月間効果が持続しますので、1か月に1回という注射の間隔を守ることが大切です。
高活性LH-RHアナログの作用機序は、初回投与直後ぬい一過性にテストステロン産生・放出が低下し、さらに卵巣及び精巣の性腺刺激ホルモンに対する反応性が低下し、男性ホルモンレベルは除睾したときと同じくらいまで下がった状態が続きます。
投与を中止するとテストステロン産生機能は回復する点が、外科的去勢と大きく異なります。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など