・トイレが近くなった
・排尿に時間がかかる
など尿に関するトラブルは男性の場合、50歳を過ぎたころから増えてきます。
尿トラブルの原因は「前立腺肥大症」がよく知られていますが、前立腺肥大症に伴って起こることの多い「過活動膀胱」も近年問題視されています。
中高年男性の尿トラブルの原因となる「前立腺肥大症」と「過活動膀胱」の症状や治療について4回にわたってご紹介いたします。
2回目の今回は前立腺肥大症の症状と治療についてご紹介いたします。
中高年男性の尿トラブル 前立腺肥大症
60歳男性の半数以上が前立腺肥大症にかかっているといわれています。原因について、はっきりと解明されてはいませんが、加齢と関係が深いとされています。
また、肥満や性生活、男性ホルモンが発症にかかわっているとする説もあり、様々な要因が重なって発症すると考えられています。
前立腺肥大症の主な症状は7つ
前立腺肥大症の主な症状は7つあります。ただし、それらすべてがおこるわけではありませんし、症状の有無や強さは人によって異なります。
●頻尿一度排尿したあと、2時間以内にまた排尿する
●残尿感排尿したあと、まだ尿が残っているような感じがする
●尿意切迫感がまんできないほどの強さで、急に排尿したくなる
●尿の勢いが弱い
●排尿している間、何度も尿が途切れる
●尿が出にくく、排尿を始めるためにおなかに力を入れなければならない
●夜間頻尿排尿のために夜中に何度も起きる
前立腺肥大症は命にかかわる病気ではありませんが、放置して症状が進行すると、尿閉や腎不全など深刻な事態を招くことがあります。
尿のトラブルは人に相談しにくく、年齢のせいと軽く考えてしまいがちですが、症状によっては外出しにくくなったり、十分な睡眠をとれなくなるなど、日常生活に少なからず影響を与えます。
症状に心当たりがある場合は、かかりつけ医に相談してみましょう。泌尿器科の専門医を紹介してもらうこともできます。
治療の目的は症状の改善
前立腺肥大症の件さでは、まず問診で症状や病歴などについて質問されるほか、症状の程度を調べるために、「国際前立腺症状スコア(I-PSS)」や「QOLスコア」が用いられています。また、尿検査や血液検査(PSA検査)も行われます。
さらに医師が肛門から指を入れて前立腺の肥大の程度などを調べる直腸診や超音波検査、尿流測定装置という機器を用いる尿流測定を行う医療機関もあります。
前立腺肥大症の治療の目的は、症状を軽くし、日常生活を送りやすくすることです。主な治療法は薬物療法で、αブロッカー(前立腺部の尿道の緊張をやわらげ、尿の通りをよくする)や抗男性ホルモン剤などが用いられます。
この他、症状や重症度によっては、内視鏡を用いた手術療法などが行われることがあります。
気になる症状は医師に相談を!
「前立腺肥大症」は、きちんと治療すれば通常通りの生活を送れるようになります!気になる症状がある場合は、まずは泌尿器科医師にご相談ください。
当院では院長による無料メール相談を行っております。
早期の治療こそが、スムーズな回復へと繋がります。
病院に行く時間がなかなかとれない方もまずは一度ご相談ください。
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【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など