「前立腺が大きいような気がするけど、このまま放っておいてもいいのだろうか?」
おしっこが出にくいなどのトラブルは前立腺との関係が強いため、このように悩まれる方も多くいらっしゃいます。
実は前立腺は年齢を重ねると大きくなるものです。さらに、前立腺肥大が疑われる大きさの基準もあります。
そこで今回は、前立腺治療の豊富な実績を持つ神楽岡泌尿器科が、前立腺の正常な大きさの基準や、異常が疑われる範囲について解説します。
前立腺にお悩みを抱えている方はぜひ参考にしてください。
前立腺の正常なサイズ
前立腺の正常なサイズは、通常、成人男性で20ml以下の体積を持ち、形状はクルミぐらいの大きさに相当します。
正確なサイズには個人差がありますが、一般的な成人男性で直径約3cm程度です。
また前立腺は成長の過程で変化し、思春期までに10ml程度、そこから急激に成長し成人男性で20ml程度に達します。その後の成長は緩やかになり、45歳まではほぼ横ばいの状態。
正常な前立腺は、精液の一部を作り出す役割を機能させ、尿道や射精に影響を与えない範囲でのサイズを維持しています。
前立腺の異常を疑うサイズ
前立腺の大きさが体積で20mlを超えてくると、前立腺肥大の可能性が高いと言えます。これは特に中高年の男性に多く見られ、前立腺が通常よりも大きい状態です。
さらに、前立腺が50ml以上になると一般的には重症と考えられ、前立腺が過剰に肥大化すると、尿道を圧迫して排尿障害などの問題を引き起こす原因に繋がります。
また、前立腺の大きさの変化だけでなく、以下の症状がみられる場合は、前立腺肥大症の可能性が疑われます。
- 排尿症状:尿が出にくい
- 排尿後症状:尿が出きらない
- 蓄尿症状:尿がためられない
このような症状が現れた際には、前立腺の健康を維持するためにも、定期的な健康診断や検査の受診をおすすめします。
年齢を重ねると前立腺は大きくなるもの
前立腺は、年齢を重ねるとともに大きくなる傾向があります。この現象は特に50歳を超えると顕著になり、前立腺肥大症の発症頻度も高まります。
しかし、前立腺のサイズの増加が必ずしも健康上の問題を引き起こすわけではありません。
巨大な前立腺でも勢いよく排尿できる人もいれば、前立腺が小さいのに排尿障害が起こってしまう方もいます。
前立腺肥大症の治療が必要かどうかは単純に大きさだけでなく、よく起こる症状や排尿習慣に目を向け、各種検査を総合的に判断することが重要です。
前立腺の大きさを調べる検査
前立腺の大きさは、腹部の超音波検査を用いて測定することが可能です。
超音波検査は非侵襲的な手法であり、特定の装置が超音波を発信し、それが前立腺に反射することでその大きさを把握します。
また、CT検査でも前立腺がどこまで大きくなっているのか、他の部位を圧迫しているのかを判断することができます。これはX線を用いて行う検査で、体を輪切りにした画像を見る検査方法です。
そのほかには、直腸内指診という肛門から指を入れ前立腺を触診する方法もあります。ですが、この検査では前立腺全体を網羅的に調べるのが困難であり、他の検査で前立腺の状況は把握できるため触診せずに進むことも多いです。当院では行っていません。
神楽岡泌尿器科で行なっている検査方法についてはこちらでも詳しく説明しています。
前立腺肥大でお困りの方
前立腺は、年齢を重ねるとともに大きくなる傾向があります。それに応じて前立腺肥大症の発症頻度も高まりますが、全ての原因が大きさだけによるものではありません。
適切な排尿習慣によって、未然に予防することもできるんです。
神楽岡泌尿器科では「手術やお薬を使わないで快適に過ごせること、苦痛・ストレスなく快適に過ごせること」を目標に、できる限り患者さんの負担や不安を軽減できるよう最善を尽くしています。
特に前立腺に関する悩みは、デリケートな問題で相談しづらく、つい一人で抱えてしまいがちです。そんな方には、メールでのご相談も随時受け付けております。
院長の渋谷先生へ直通でつながるメールなので、周りの人に聞かれたくない悩みや、身近に相談できる相手がいない方はお気軽にお問い合わせください。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など