前立腺肥大症は薬で治るのか？現役医師がお悩みに回答

前立腺肥大症の治療は薬を使用しての治療が一般的です。しかし、薬を服用していてもなかなか改善しない、この薬は本当に効くのだろうか、いつになったら治るのかと服用するにつれて不安に思う方もいるでしょう。

そこで今回は、前立腺肥大症に関するお悩みを神楽岡泌尿器科院長の「渋谷 秋彦」先生監修のもと、Q&A形式でお伝えします。

前立腺肥大症の薬を飲んでおり、効果があるのか不安、射精ができずに悩んでいるといった中々人には聞けない悩みも紹介しておりますので、ぜひ参考にしていただけると幸いです。

Q1、前立腺肥大症は薬で治りますか？治らない場合完治させる方法が知りたいです

「残念ながら100%元通りになるということはありません。ですが、症状を無くすことは可能です。

薬物治療で改善する方もいれば、手術により前立腺を取り症状が無くなる方もいます。」

渋谷先生

前立腺の治療に関する情報は以下の記事でも紹介しているので、ぜひご覧ください。

Q2、前立腺肥大症の薬で頻尿や不快感は治りますか？

「頻尿や不快感は治ります。ただし、前立腺や膀胱に負担がかかっている期間が長いほどリハビリと治療期間も長く必要になります。

治療をした瞬間から治るものではなく、治るまでに時間がかかるものだと思ってください。」

渋谷先生

Q3、前立腺肥大症に効く市販薬はありますか？

「健康食品として販売されているノコギリヤシや、漢方である八味地黄丸（はちみじおうがん）は排尿症状を改善させると言われています。

ですが、これはあくまで「むくみを取る」など、症状を緩和させる効果であり、根本的な治療にはなりません。

病院の薬の方が、認可が必要な分効果が強く、医学的根拠を元に処方されることから、よりあなたの症状を治せる可能性が高い薬になることはご理解ください。」

渋谷先生

Q4、前立腺肥大症の薬は血圧に影響すると聞いたのですが、どんな影響がありますか？

「前立腺肥大症の薬は、血圧の低下を招く可能性があります。

前立腺肥大症の治療で使用する「α1ブロッカー」は、元々血圧を下げるための薬でした。血管を広げる作用が前立腺にも作用するため、選ばれた経緯があります。

これは薬の元々の正常な作用であるため、ご安心ください。ただし立ちくらみなどがある方は服用時に立ち歩かない、運転しないなど十分な注意が必要です。」

渋谷先生

Q5、前立腺肥大で薬のみの治療中です。薬の影響か痛みが改善していますが、やめたら痛みが再発しますか？

「前立腺肥大のみでは、痛みが発生しません。痛みは炎症を起こしている、尿道が損傷（切れている）しているなど別の原因がある可能性があります。

そのため、薬をやめて痛みが出る場合は、別の治療が必要かと思います。前立腺炎など検査でわかることも多いため、一度泌尿器科で相談してみましょう。」

渋谷先生

Q6、前立腺肥大の薬アボルブ（デュタリスト)を飲んでいますが射精できません。副作用なのでしょうか？

「副作用の可能性が高いです。アボルブを含め、近年の前立腺肥大の薬は男性機能に影響を与えます。これは、男性ホルモンを抑える薬であるためです。

射精の感覚が鈍くなったり、精液の量が減る・出なくなるということもあります。健康被害を起こすものではないため、副作用の一つとして受け止めていただければと思います。

オーガズムは残るため、性生活自体に問題はありません。ただし薬を飲んでいる限り、射精機能については低下します。子作りをしたい方は性交渉前に薬を飲まないなどの調整も必要になりますので、主治医や専門医にご相談ください。」

渋谷先生

まとめ

神楽岡泌尿器科では、前立腺肥大でお悩みの方の相談を随時受け付けています。

今回のインタビュイーである院長「渋谷 秋彦」先生直通の無料メール相談もありますので、通院する時間が無い方、尿のキレが悪い、射精について困っているなど泌尿器に関することはなんでもご相談ください。

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また、このサイトでは前立腺肥大でお困りの方に向け、お役立ち情報を多く掲載しています。悩みを解決するための記事や、隠れた疾患に気づくキッカケになる記事もありますのでぜひご覧ください。

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神楽岡泌尿器科

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」

札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など