前回のブログで前立腺肥大症で見られる症状について説明致しましたが、今回は前立腺肥大症の診断についてご紹介します。
前立腺肥大症の診断には、問診に加え、いくつかの検査を行います。
問診症状の評価
排尿症状などについて患者さんに尋ねたり、IPSS(アイピーエスエス)とQOL(キューオーエル)スコアという質問票を同時に文字いて、患者さんの排尿状態を調べます。
IPSS(国際前立腺症状スコア)とは…
排尿症状を点数化することができ、その合計点数で現在の排尿状態がわかります。(点数が高いほど重症)
QOLスコアとは…
患者さんが排尿症状でどの程度困っているかがわかります。(点数が高いほど重症)
超音波(エコー)検査と直腸診前立腺形態の評価
前立腺の大きさや形、残尿量などを調べる検査として、以下のような検査があります。
- ●腹部エコー検査法:お腹の表面に超音波(エコー)を当てる
- ●直腸エコー検査法:直腸に検査器具を挿入する
- ●直腸診:肛門から指で前立腺を触診する
尿流測定排尿機能の評価
「尿流測定装置」というトイレに似た装置に排尿して、尿の勢いや排尿量、排尿時間などを調べます。
血液(PSA)検査がんの鑑別
- ●PSAは前立腺の細胞からつくられる物質で、前立腺に異常があれば血液中のPSAの量が増えることがあります。
- ●PSAの量を測ることで「前立腺がん」が早期に診断できる可能性があります。
- ●PSAが基準値以上の場合は、さらに詳しい検査が必要となります。
PSAの量に影響を及ぼすもの
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など