【実践編】効果的な頻尿改善トレーニング「快感おしっこ」を紹介

頻尿は薬を飲んだからといって治るわけではありません。一時的に症状がよくなっても繰り返す人も多くいるのを私は現場でみてきました。

その理由の一つに、排尿生活習慣にあります。

尿意がないのに不安でトイレに行く、頻尿だから水分を控えている、トイレに行く回数が多いから頻尿だと思っている。

そのようなお悩みを抱える方はぜひ参考にしてみてください。

おしっこの仕方を変えるだけで根本的に頻尿改善していける方法を神楽岡泌尿器科 院長渋谷が紹介します。

 

快感おしっこを身につける4つのポイント

頻尿を改善するには「快感おしっこ」を日常で身につける必要があります。

ここでは快感おしっこをするためのポイントをあらかじめ4つ紹介します。

快感おしっこのポイント
  • 1日2リットルの水分摂取
  • おしっこは溜めてからする
  • おしっこの不安から脱却
  • 排尿日誌をつける

それでは一つ一つどのように取り組むのか説明していきましょう。

 

1日2リットルの水分摂取

おしっこに悩んでいる人は、まずは目安として1日2リットルの水分摂取をしてください。

水分摂取が大事な理由は、腎臓機能を助け、尿管→膀胱→尿道と続く尿路の健康を保つためです。

こうは言っても、頭で大事だと理解しても、具体的に自分が飲んでいるイメージができずに実際に行動できない人は多いです。

そこで、実際に取り組んでいただけるよう1日2リットル摂取できるコツを紹介します。

1時間に200ccずつ飲む

一般的にマグカップの容量は、だいたい200cc。これを10時間かけて2リットル飲みます。

例えば、デスクワークの仕事をしている人であれば、一つの作業が終わるたびに一口飲むというように習慣づける。

外回りの仕事をしている人は、500ccのペットボトルを1日かけて4本飲み終わるイメージです。

2〜3時間で500ccのペットボトルを1本飲み終わるペースがちょうどいいでしょう。

10時間かけて2リットルの水分を摂取することは、決して簡単なことではありません。だいたいでいいので無理せずすすめてくださいね。

水分の質

私がいう水分は、食事に含まれる水分、アルコールは別として考えます。

水ばかり飲むのは飽きると思うので、お茶・スポーツドリンク・暖かいスープでもいいです。

コーヒーや紅茶などカフェイン作用があるものは、あまり飲みすぎないようにしましょう。

いろんな飲み物を「美味しい」と思って飲むことが大切です。

夜寝る前は水分摂取は必要ありません

1日2リットルの水分補給は、原則夕飯まで。夕飯のあとは、もう水分はいりません。

その理由は、夕食後の飲水は夜間多尿の原因となります。水分は日中に十分に補給されていれば、夜間に血液が固まる(ドロドロ)などのトラブルは起きないものです。

お庭の水撒きは夜にはしませんよね?

 

おしっこはしっかり溜めてからする

おしっこする場合は、「たっぷり溜めてから一気に排泄」が基本です。それが快感おしっこ。

おしっこが正常な人は、1回300cc 前後は溜めてトイレにいきます。それを1日7回程度、だいたい2リットルのおしっこを出しています。

人によりますが、300cc溜めていても、漏らすことはありません。膀胱のポンプは倍近い500ccくらいのおしっこを溜めておける能力があるからです。

チビチビとおしっこしている人は、100cc〜200cc溜まるとすぐトイレに行くので「しっかり溜めてから排尿しましょう」といいます。

とはいっても、できない人が多い。

その理由は、「自分のおしっこがどのくらい出ているかわからないから」です。

そんな方は、100円ショップで少し大きめの計量カップを買ってきて、トイレに置いておきます。または、ビールやお茶の缶(350ml)、500mlのペットボトルの3分の1をカットして(300〜400ml)それを計量用に使うのがいいでしょう。

実際に行動にうつしてくれる人は少ないのですが、実行してくれる人はおしっこを溜めてできるようになり症状は解消していきます。

自分の体に「快感おしっこ」の感覚を身につけていきましょう。

おしっこするときは「いきまない」

自然な排尿は「いきみません」。

おしっこのトラブルを抱える人は、子どもの頃からいきんだ排尿をしているので、いきまずにおしっこすることができません。

いきむのは、呼吸を止めて下腹部に力を入れること。なので、声を出しながら、歌を歌いながら「いきまないおしっこ」の方法を体感してみてください

イメージは、男性同士が隣同士でおしゃべりしながら「ツレション」している感じです。

 

おしっこの不安から脱却しよう

出かける前におしっこしておこう、映画が始まる前におしっこしておこうと尿意がないのにも関わらずトイレに行く習慣を持っている人は多いと思います。この習慣が、普段からの早め排尿の癖になるんです。

しかし、膀胱のポンプは十分な伸展性があり、思っているより多くの尿が貯められるものです。

300ccくらい溜まったら、かなり強い尿意を感じるようになります。それでも30分〜1時間は我慢できるのが本来の膀胱です。

念のための気持ちはよくわかりますが、その習慣を改めないと快感おしっこにいつまでたってもなりません。

尿意がきたら10分だけ待つ」というように決めて、少しづつ慣れていってください。

もちろん僕も手術の前や会議、講演の前には排尿を済ませておきます。でもその時だけです。もちろん息むことはありません。

自然に自律神経の要求に応じて行うということなんです。

 

排尿日誌をつけよう

1回にどのくらいの量のおしっこをしているのかは、とても大切な情報です。

「1日にトイレに10回以上いく」と訴えても頻尿なのか、多尿なのかはわからないのです。

膀胱の容量が小さすぎるために頻尿になっているのか、排尿障害による残尿があって頻尿になっているのかもわかりません。

排尿日誌をつけ、どのくらいのおしっこをして、どのくらいの水分をとったのか書いてあればいろいろなことがわかってきます。

排尿日誌の書き方
毎回の時刻、尿量、尿意、尿もれの有無を記入します。

頻尿の人は、100cc前後で排尿します。しかし、起床時やたまたまトイレに行けなかった時は300cc溜まっていることがあります。

このような人は、膀胱が小さいがためにおしっこを溜められず頻尿になっているわけではないということがわかりますよね。

排尿日誌はこちらを印刷してお使いください。

排尿日記テンプレートPDFデータ

まとめ

頻尿を日常で改善するトレーニングについて紹介しました。

今回紹介した内容は、神楽岡泌尿器科 院長 渋谷の著書で紹介していますので、詳しく知りたい方は参考にしてみてください。

参考画像:Amazon

 

北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「排尿のかかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。

「オシッコのことで悩んでいる」「気持ちのいいオシッコについて知りたい」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。

病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。

子どもが大好きな渋谷院長先生はどんな人?

 

【著作・メディア掲載など】

  • 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行
  • 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
  • 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
  • 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
  • 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
  • 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載