「最近なんだかおしっこに勢いがない」
年齢を重ねていくとおしっこの出方にも変化があり、自分の症状に不安を感じる男性も少なくありません。
おしっこが途切れて出るのは、加齢による前立腺肥大が排尿障害を引き起こす原因として大きく関係しています。
そこで今回は、おしっこトラブルのことならなんでも知っている神楽岡泌尿器科が、途切れの原因とその解消法について解説します。
原因を正しく理解することで不安の解消につながれば幸いです。
おしっこが途切れて出るのは歳のせい?
男性にとって深刻な悩みである「おしっこの途切れ感」には、以下の原因が考えられます。
- 前立腺肥大症
- 前立腺がん
- 尿路結石
- 過活動膀胱
- 神経因性膀胱
- 膀胱炎
なかでも前立腺は年齢を重ねるにつれ肥大しやすくなり、60歳以上の男性の3人に1人が前立腺肥大症とされています。
高齢者の排尿障害を引き起こしている原因の多くが前立腺肥大症です。
前立腺は尿道を囲っているため、前立腺が腫れたり、がんができたりすると尿道が圧迫され、おしっこの勢いがなくなり途切れる原因につながります。
前立腺の働きについては以下の記事でまとめて紹介しています。
異常・正常?おしっこが途切れて出るとは
まず正常なおしっこの出方は、尿線と呼ばれるおしっこの線が太く、途切れずに一定の勢いで出ている状態を指します。
通常、排尿中の痛みや違和感は感じることはなく、お腹に力を入れず、いきまないでおしっ
こができていることが自然です。
一方、おしっこが途切れる状態は、膀胱から尿道出口への尿の通過が妨げられたり、膀胱がうまく収縮できない場合に発生します。
これはおしっこを貯める機能(蓄尿機能)と、おしっこを排出する機能(排尿機能)がうまく働かず、排尿障害を引き起こしている可能性が高いです。
特に男性の場合、膀胱の下にある前立腺が肥大したり、がんができたりすることで、おしっこの出にくさにつながります。
おしっこが途切れて出る時の解消法
原因となる疾患が軽度でおしっこが途切れて出る時は、骨盤底筋群トレーニング方法が効果的です。自宅でも可能なトレーニング方法なので、ぜひ実践してみましょう。
- 仰向けになり、足を骨盤の幅に開いて両ひざを立てる。
- 吸う息で、下腹部・骨盤底筋に力を入れる。(肛門と下腹部だけを縮めるイメージ)
- 吐く息で、力を抜く。
- 1〜3を1回/日、5分程度から始めて、10〜20分までだんだん増やしていく。
おしっこの勢いに必要な膀胱の機能を回復させれば、おしっこの途切れも改善されていきます。気持ちのいいおしっこのためにも、まずは必要な筋力を取り戻しましょう。
※おしっこの途切れが長期間続いている方や、すでに疾患の症状が重症化されている方は、一度泌尿器科への受診をお勧めします。専門医の治療指示のもと、正しく取り入れてください。
まとめ
今回はおしっこが途切れて出る原因と解消法について解説しました。
おしっこが途切れて出るのは、前立腺や膀胱の働きによる排尿障害が引き起こしている可能性が高いです。高齢者の排尿障害を引き起こしている原因の多くが前立腺肥大症となります。
また、原因となる各疾患が重症化している際は、薬や手術による治療が必要となる場合もあります。症状の改善がみられない場合は、一度泌尿器科での検査を受診しましょう。
神楽岡泌尿器科では、男性特有のおしっこのお悩みに関するご相談を受け付けております。
院長の渋谷先生へ直通でつながる無料メール相談なので、前立腺や特定の症状にお困りの方もお気軽にご相談ください。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など