オシッコとからだのしくみを知っておこう

男女の膀胱と尿道の違い

膀胱は、腎臓で作った尿を一時的にためる場所です。恥骨の後ろにあり、尿の量に合わせて風船のように伸縮します。男性では膀胱から伸びた尿道を包むように前立腺があり(図1)、女性では膀胱のすぐ後ろに子宮があります(図2)

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膀胱や子宮、直腸などの骨盤内にある臓器を支えているのが、骨盤底筋群と呼ばれる筋肉です。骨盤底筋群は、外尿道括約筋、肛門括約筋、膣括約筋、肛門挙筋などから構成されています(図1、2)

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膀胱の尿をためる働き(蓄尿)と排出する働き(排尿)は、自律神経(交感神経と副交感神経の総称)と陰部神経と呼ばれる体性神経によってコントロールされています。

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排尿のメカニズム

膀胱の容量は300~500mlぐらいですが、150~200mlぐらいから尿意を感じ始めます。大脳が排尿中枢を抑制するため、我慢することができますが、容量いっぱいになると我慢できなくなり、仙髄(脊髄の一番下あたり)の排尿反射中枢を刺激して排尿します。大脳が未発達な赤ちゃんでは、このコントロールがうまく働かず、仙髄の反射によって排尿してしまうため、おむつが必要になります。脳卒中の後遺症がある人の場合も同じような状況にあるといえます(図3)

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尿は、膀胱につながる尿道を通り尿道口から排出されます。尿道の長さは男性では約20cmありますが、女性では約4cmと短く、その上、真下に向かって尿道口が開いているので、男性よりももれやすい傾向にあります。逆に男性は、括約筋が丈夫であることや前立腺が肥大することによって、尿が出にくくなります。

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