全5回に分けてご紹介する、トリグリセライド(中性脂肪)について。
最終回は【脂質異常症に負けない運動療法】についてご紹介します。
【過去記事一覧】
①トリグリセライド(中性脂肪)とは?
②脂質異常症(高脂血症)とはどんな病気?
③脂質異常症(高脂血症)と肥満との関係について
④中性脂肪を意識した食生活をしましょう!
⑤脂質異常症(高脂血症)に負けない運動療法を始めてみましょう!
運動習慣をつけることでTG値が低下し、HDL値が上昇することが報告されていますが、さらに運動には心肺機能や体力の向上といったプラス面もあります。積極的に体を動かして運動不足を解消し、健康維持に努めましょう。
運動療法実践の3本柱
種類
・全身を使う動きのある運動
・呼吸をしながら継続できる有酸素運動
(ウォーキング、ジョギング、水泳など)
量
時間:1回30分以上
消費カロリー:1日150kcal以上
1週間の目安:1050kcal以上の消費。180分以上。
強度
少し息がはずむが、会話ができる程度の運動を続けることがベストです
・まずは運動することに慣れること!
運動療法実践の3本柱はあくまで理想値です。あまり数字にこだわりすぎてやる気が失せてしまっては元も子もありません。「今日はいつもより動いたな」から始め、たとえ短時間でも毎日続けることを1番に考えて行いたいものです。
運動療法5つのポイント
1、いつでもどこでも独りでできる運動を選ぶ。
(運動の種類と量は医師と相談して決めましょう)
2、長く続けていけるように無理のないペースで行う。
(足・腰に負担のかからないように)
3、体調や天候の悪い時は無理せずに休みましょう。
4、汗をかいたら必ず水分補給をすること。脱水症状は血液を固まりやすくさせ、血管に負担がかかるため逆効果になってしまいます。
5、カロチン、ビタミンC・Eを摂りましょう。体内で起こる酸化反応を予防します。(セロリ、かぼちゃ、にんじんなど)
薬物療法という奥の手
運動療法も食事療法も5~6ヶ月続けたがTG値が下がる気配がない、運動がむしろ体にさわるような場合は薬物療法が行われます。
日常生活に動きを加えるちょっとした工夫
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など