全5回に分けてご紹介する、トリグリセライド(中性脂肪)について。
今回は【脂質異常症(高脂血症)】についてご紹介します。
【過去記事一覧】
①トリグリセライド(中性脂肪)とは?
②脂質異常症(高脂血症)とはどんな病気?
脂質異常症(高脂血症)は知らないうちに忍び寄る
私たちの血管の中には、たくさんの物質が流れています。コレステロールやトリグリセライドもそのひとつです。
コレステロールは、細胞膜やホルモンの材料になり、トリグリセライドはエネルギー源になる大切な物質です。
血液中のコレステロールやトリグリセライドは、一定の量が保たれるように調節されています。
しかし、脂質異常症(高脂血症)では、血液中のLDLコレステロール(悪玉コレステロール)やトリグリセライドが多すぎたり、HDLコレステロール(善玉コレステロール)がすくなくなったりします。
以前は「高脂血症」と呼ばれていましたが、HDLコレステロールは高いことが大切なことから、2007年より「脂質異常症」という病名に変わりました。
しかし、現在でも「高脂血症」という呼び方がなくなったわけではありません。
脂質異常症(高脂血症)に対して、何の治療もしないで放置しておくと、血管の動脈硬化がだんだんと進んでいき、ついには心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気が起こるようになります。
重大な病気の予防のためにも、治療を続けながら定期的に血液検査を受けてLDLコレステロールやトリグリセライドなどの値をチェックする必要があります。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など