医師が教える腸活の効果15選!目的に合った効果的な乳酸菌やビフィズス菌も紹介

「腸活」とは、腸内環境を整え、腸の働きを元に戻すための活動のことです。

とくに腸活には、ビフィズス菌や乳酸菌が良いとされており、「ヨーグルトを毎日食べるといい」という言葉だけが独り歩きしているように感じます。

しかし、実際にヨーグルトがなぜ身体に良いのかを説明できる方は少ないでしょう。

腸活をしたいと考えている方向けに、神楽岡泌尿器科 院長渋谷が腸活を続けてもらえるよう腸活の効果を15個紹介していきます。

ただし、効果には個人差がありますので、あくまでご参考までに読み進めてください。

 

 

効果1:便秘予防・解消の効果が期待できる

ヨーグルトに多く含まれることで有名な乳酸菌やビフィズス菌には、排便の回数や便の量を増やす効果があります。

試しに1日100ml、1週間ずつ 摂取してみてください。

飲む・食べるのどちらでも大丈夫ですが、継続すると効果をより多く実感するでしょう。

例えば、「ビイドバクテリウム・ラクティス・FK120株」や「ラクトコッカスラクティス・亜種クレモリス・GCL1176株」が特に整腸作用が確認されています。

ヨーグルトを買う際に食品の成分表を確認してみるといいでしょう。

 

効果2:肌荒れ改善の効果を期待できる

便秘が肌トラブルを引き起こすことは幅広く知られていると思います。便秘時期が冬に重なると、また乾燥が肌トラブルを悪化させてしまうこともあるでしょう。

泣きっ面に蜂のような状況ですが、実は肌荒れ・乾燥はどちらもビフィズス菌で解決できます。

まずは便秘になった段階で、美肌に作用がある「ビフィドバクテリウム・ブレーベ・ヤクルト株」を摂取すると良いでしょう。

商品によって使われる乳酸菌やビフィズス菌の種類がことなるため、一度効果がないからと言ってあきらめず、継続して様々な商品を試すのもいいです。

それでも治らなかった場合は、ビフィズス菌が含まれる食品のほかに「ガラクトオリゴ糖」をおすすめします。

ビフィズス菌を増やす効果があるガラクトオリゴ糖は、4週間ほどで効果を発揮するため、継続して飲み続ける必要があります。

 

効果3:ダイエットをサポートする

便秘になると早く排出すべき有害物質を体内に多く留まらせてしまい、悪玉菌が腸内環境をめちゃくちゃにしてしまいます。

そして、悪玉菌は、消化・吸収作用を低下させ、下痢や肌トラブルを招きがちです。

反対に、腸内環境を整えることで善玉菌優位の環境を保つことで、血行促進し内臓機能を促進させ、「太りやすくやせやすい身体」作りにつながります。

善玉菌優位の環境は、乳酸菌やビフィズス菌をとることで腸内環境を整えることで、ダイエット・健康・美容に効果が生まれることでしょう。

特に、内臓脂肪を減らす「ラクトバチルス・ガゼリ・SBT2055株」が含まれるヨーグルトを200gを12週間食べ続けることで皮下脂肪やウエスト・体重の減少実績があります。

ほかにも、フルーツ由来の乳酸菌「ベディオコッカス・ペントサセウス・LP28株」も脂肪肝の改善に効果があると判明しており、ウエスト引き締め効果が期待されています。

 

効果4:免疫力の強化につながる

外部から侵入してくる病原菌や体内に発生するがん細胞などの異物から身体を守る働きが、免疫力です。

風邪を引きやすい方が総じて「免疫力が低い」と言われてしまうのは、病原菌から身体を守らなくてはならないためです。

腸内環境に善玉菌を増やすことで免疫力の増加が期待できるのはご存じでしょうか。

例えば、カブの漬物である「すぐき漬け」に含まれる乳酸菌「ラクトバチルス・ブレイビス・ラブレ株」は免疫力を強化し、さらに便秘の予防・改善をしてくれます。

「風邪はなかなかひかないから大丈夫!」そう思っている方も、最近疲れやすいと感じているなら、免疫力が良くなっている証拠です。

風邪を予防したい方にもおすすめの乳酸菌です。

 

効果5:口臭や虫歯予防にまで効果がある

実は腸内環境と口内環境は、2つとも悪玉菌と善玉菌が共存しているという共通点があります。

腸内環境と同じく、口内環境で悪玉菌が優位になると歯と歯茎の間に残った食べ物などで菌が増殖し続けてしまいます。

特に、ジンジバリウス菌と呼ばれる菌は一度増殖すると、口臭や虫歯を引き起こしてしまいます。

しかし、乳酸菌「ラクチバチルス・サリバリウス・T12711株」は、口臭・歯肉炎・歯周病の元となるジンジバリウス菌を抑制すると知られています。

腸内環境をよくすることで、口内環境までよくしてくれるかもしれませんね。

 

効果6:花粉症の症状を軽減させる

花粉症は免疫システムが過剰に働くことで起こる症状です。

免疫システムを調整する力を持つ乳酸菌やビフィズス菌を食べることで、花粉症は軽減できるのです。

例えば、「ビフィドバクテリウム。ロングム・BB536株」の効果が実証されています。

ヨーグルトに含まれることが多いため、500gのヨーグルトを1年間食べ続けるといいでしょう。

ただし、1、2週間で効果が実感できるものではないため、根気強く継続することが大切です。

 

効果7:アトピー性皮膚炎の改善に期待できる

アトピーはアレルギーによる炎症反応の一つで、乳酸菌の働きで改善が期待できます。

例えば、乳酸菌の一種である「ラクトバチルス・ラムノーサス・GG株」は抗アレルギー作用があると多く報告されています。

出産6週間前から摂取し、新生児が6ヶ月になるまで母子ともに摂取したところ、アトピーの発生率を下げ、妊娠している段階でヨーグルトを施主することで子どものアトピー発症予防にもなると実証されました。

炎症を軽減させる以外にも、発症する前からアプローチ可能な乳酸菌のため、効果はかなり期待できそうです。

 

効果8:インフルエンザの予防ができる

免疫力を上げれば風邪をひきにくくなると聞いたことはありませんか?実は、風邪の中でも厄介な「インフルエンザ」に特化した乳酸菌があります。

例えば、「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」は、免疫作用があるNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化すると証明されています。

ほかにも、「ラクトバチルス・アシドフィルス・Lー92株」もインフルエンザウイルスの菌を減らす作用があります。

中でも、ヨーグルトに多く含まれる「ラクトバチルス・ペントーサス・SーPT84株」はインフルエンザに限らず、ウイルスや細菌に対する感染リスクを軽減できると期待されています。

 

効果9:食中毒「Oー157」などを予防する

食中毒の菌が体内に入ると、必ず食中毒になると思っていませんか?

実は、病原菌が身体に入ったとしても、腸内環境が善玉菌優位の環境であれば、菌の増殖を抑えられます。

そのため、症状が軽かったり、そもそも発症しなかったりと、個人差が大きいです。

特に、O-157を死滅させると言われている乳酸菌「ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株」は善玉菌が活動しやすい弱酸性の腸内環境を保ち、食中毒を防ぐ効果があります。

他にも、「ラクトバチルス・ブランタラム・HOKKAIDO株」を先に摂取することでー157が体内に入り、腸内に付着する効果があると検証されています。

HOKKAIDO株はO-157以外にも食中毒予防が期待されており、毎日HOKKAIDO株が含まれる食品を摂るといいでしょう。

 

効果10:血糖値の上昇を抑制する

血糖値を下げるホルモンは、インスリンと呼ばれ、身体で唯一血糖値を抑えられるホルモンとして有名です。

唯一ということは、インスリン以外に血糖値を下げるホルモンがないため、暴飲暴食を繰り返したり、インスリンの効き目が悪くなったりすると、高血糖状態が続くこととなります。

高血糖になると糖尿病や肥満の原因となりえるため、血糖値の上昇を抑える「タクトコッカス・ラクティス・亜種クレモリス・FC株」がおすすめです。

ヨーグルトがねばねばと粘着性があるのは、「タクトコッカス・ラクティス・亜種クレモリス・FC株」が含まれているためで、その粘り気は体内で吸収されず、血糖値を上昇させる栄養素と一緒に排出して高血糖の上昇を抑えてくれます。

 

効果11:高血圧の予防になる

高血圧は放置すると血管を硬くし、動脈硬化を引き起こします。

動脈硬化により、弾力が失われた血管は血栓が詰まりやすくなり、脳卒中や心筋梗塞のリスクが跳ね上がってしまいます。

高血圧にはバランスの良い食事が一番ですが、「ラクトバチルス・ヘルベティカス・CM4株」は血圧調整作用があるため、高血圧の予防に最適な乳酸菌の1つです。

 

効果12:コレステロールを下げる効果がある

コレステロールとは、胆汁酸や副腎で作られるステロイドホルモンを構成する物質の一つで、身体になくてはならないものです。しかし、多すぎると動脈硬化を促進させてしまう厄介な物質です。

乳酸菌の「ラクトバチルス・ガゼリ・SBT2055株」や「ラクトコッカス・ラクティス・亜種クレモリス・FC株」、「ラクトバチルス・ガゼイ・Nー1株」などはコレステロール低下に有効です。

健康診断でひっかかりやすい数値の一つですので、健康診断の結果が悪くなる前に、乳酸菌をとりましょう。

 

効果13:大腸がんも予防できる

日本人は大腸がんの発生率が非常に高い傾向にあります。

食の欧米化が進み、高脂質・高たんぱくの食事が多く、食物繊維を摂取する機会が減ったためとされているようです。

一番は食事内容を見直すことですが、ビフィズス菌や乳酸菌を摂取することでも予防効果があるといわれています。

ビフィズス菌や乳酸菌は善玉菌優位の環境にし、発がん物質である二次胆汁酸も減らす効果があり、大腸がんの予防につながります。

乳酸菌では「ビフィドバクテリウム・ロンダム・BB536株」は、大腸がんのリスクとなるフラジリス菌を抑制

ビフィズス菌では「ビフィドバクテリウム・アニマリス・LKM512株」はがんの元となる、損傷を受けたDNAを修復する作用や腸管のバリア機能を高める効果があると検証されています。

 

効果14:胃がんも予防できる

胃がんの原因の多くは、ピロリ(ヘリコバクター・ピロリ)菌だと言われています。

ピロリ菌は胃壁が胃酸に弱くなり、ストレスがかかることで蓄積ダメージを一気に増やすことで慢性胃炎を引き起こし、胃がんのリスクを高めます。

ピロリ菌は、被罹患者と比べると5〜10倍胃がんのリスクが高くなると言われており、医者の中にはヨーグルトを患者にすすめることも多いようです。

ガゼリ菌の弱点は乳酸で、特に「ラクトバチルス・ガゼリ・OLL2716株」はピロリ菌を殺菌する作用があり、ピロリ菌が引き起こす炎症も抑えることが知られています。

 

効果15:潰瘍性大腸炎のつらい炎症も軽減できる

潰瘍性大腸炎とは、大腸の粘膜に潰瘍やただれ(炎症をもっと悪化させた状態)ができることで、難病指定されている病気ですが、近年罹患率が増えてきています。

下痢・血便・腹痛が主な症状ですが、大腸の機能が下がり肝機能異常が起こったり、大腸が狭窄することで腸狭窄が怒ったりと、副次的な影響が大きい病気です。

潰瘍性大腸炎の原因はいまだわかっていませんが、大腸の免疫システムが正常に働かなくなることで、炎症や潰瘍・びらんが発生するのでは?と考えられています。

実際、「ビフィドバクテリウム・ロンダム・BB536株」を摂取することで潰瘍性大腸炎の症状が緩和され、症状の安定にも役立つと証明し治験も存在します。

ほかにも「ビフィドバクテリウム・ブレーベ・ヤクルト株」も潰瘍性大腸炎の症状を和らげる効果があるため、潰瘍性大腸炎の方は、それらが含まれるヨーグルトを摂取してはいかがでしょうか?

 

まとめ

腸活の効果を15個紹介しました。効果ごとに合った乳酸菌やビフィズス菌も紹介したため、ぜひ自分に合った菌で「腸活」をしてみてください。

下に、目的と適した乳酸菌やビフィズス菌をまとめてあるので、ぜひ参考にしてください。

便秘予防改善

ビイドバクテリウム・ラクティス・FK120株

ラクトコッカスラクティス・亜種クレモリス・GCL1176株

肌荒れ・乾燥

・ビフィドバクテリウム・ブレーベ・ヤクルト株・ガラクトオリゴ糖

花粉症

ビフィドバクテリウム。ロングム・BB536株

アトピー性皮膚炎

ラクトバチルス・ラムノーサス・GG株

免疫力の強化

ラクトバチルス・ブレイビス・ラブレ株

インフルエンザの特効薬

ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株・ラクトバチルス・アシドフィルス・Lー92株

細菌やウイルス全般

ラクトバチルス・ペントーサス・SーPT84株

O-157対策

ラクトバチルス・カゼイ・シロタ株

食中毒予防

ラクトバチルス・ブランタラム・HOKKAIDO株

内臓脂肪を減らす

ラクトバチルス・ガゼリ・SBT2055株

血糖値上昇の低下

タクトコッカス・ラクティス・亜種クレモリス・FC株

高血圧予防

ラクトバチルス・ヘルベティカス・CM4株

コレステロール低下

ラクトバチルス・ガゼリ・SBT2055株・ラクトコッカス・ラクティス・亜種クレモリス・FC株・ラクトバチルス・ガゼイ・Nー1株

大腸がん予防

ビフィドバクテリウム・ロンダム・BB536株・ビフィドバクテリウム・アニマリス・LKM512株

胃がん予防

ラクトバチルス・ガゼリ・OLL2716株

潰瘍性大腸炎の症状緩和・安定

ビフィドバクテリウム・ロンダム・BB536株・ビフィドバクテリウム・ブレーベ・ヤクルト株

口臭、歯周病、歯周炎、虫歯予防

ラクチバチルス・サリバリウス・T12711株