普段から便秘に悩む。今までいろいろ取り組んできたけど結局続かず便秘に後戻り…。
最近では「腸活」も耳にするようになり、便秘に効果的ならぜひ取り組んでみたい!続かない私でもできることはあるのかしらと情報を探っている方は必見。
今回は、長年医療に携わる神楽岡泌尿器科院長 渋谷が便秘に効果的な腸活方法を紹介します。
腸活に取り組むのであれば、まずは自分が本当に便秘なのか、自分の身体・便について知ることが腸活スタートだと思っています。
自分の体の状態を知らずに、やみくもに腸活を始めるのではなく、まずは自分の体に耳を傾けましょう。
便秘は2日に1回が基準
便秘の基準は「慢性便秘症ガイドライン」に基準が定められています。
難しい言い回しをしていますが、回数でいえば2日に1回の排便があれば「便秘」とは判断されない、ということです。
1.「便秘症」の診断基準 以下の6項目のうち,2項目以上を満たす
a. 排便の4分の1超の頻度で,強くいきむ必要がある.
b. 排便の4分の1超の頻度で,兎糞状便または硬便(BSFSでタイプ1か2)である.
c. 排便の4分の1超の頻度で,残便感を感じる.
d. 排便の4分の1超の頻度で,直腸肛門の閉塞感や排便困難感がある.
e. 排便の4分の1超の頻度で,用手的な排便介助が必要である(摘便・会陰部圧迫など).
f. 自発的な排便回数が,週に3回未満である.
2.「慢性」の診断基準 6ヵ月以上前から症状があり,最近3ヵ月間は上記の基準を満たしていること
引用元:『慢性便秘症ガイドライン2017』
便秘の判断基準には、回数のほかにも様々な診断項目がありますが、「排便のしにくさ・満足感」など、その人の感覚による部分が多いです。
理想の快便は1日1回
慢性便秘症ガイドラインによると2日に1回の排便があれば便秘とはなりませんが、「便秘じゃない=快便」は飛躍しすぎでしょう。
快便の人は、1日に1回の排泄は当たり前です。
その理由は、1回の排便の量です。
1度の排便では約100g、多くても300g〜500g排出されると言われていますが、健康な人が1日に排出される量は500g以上です。
500g以上もの便を出そうと思うと、2日1回の排出だけではとうてい足りません。
大便は、毎日1回の排便が理想といえるでしょう。
【セルフチェック】便でわかるあなたの便秘状態
ズボラな方にもできる腸活の第一歩は、「自分の大腸の状態を知ること」です。
大便は形状・色・臭いで、健康状態をチェックできます。
図からわかるように、type3〜5までの形状・色が正常です。
「色じゃわかりにくい…」という方は、刺激臭がしたほうが状態が悪い大便と覚えておくといいでしょう。
自動で流してくれるトイレが最近は多いですが、膝や手などで便座を押さえておくと流れずに観察ができるため、おすすめです。
硬過ぎたり軟らかすぎたりすると、「大腸の健康状態が悪い」と思ってください。
日によってマチマチかもしれませんが、腸活に必要なことは”継続”です。
毎日、type3〜5の大便が出るようになれば腸活は成功していると考えていいでしょう。
便秘になりやすい3つの習慣
便秘を作っているのは、3つの習慣が乱れているためです。
①運動習慣
②食事習慣
③生活習慣
この3つの習慣が原因であなたは便秘になっているのです。
腸活には、悪玉菌を減らし、善玉菌を多くして「腸内環境を健康な状態にする」ことも含まれます。
そのためには、3つの習慣を整える腸活を実践しましょう!
①運動習慣
ズボラでもできる腸活ー運動習慣編ー
1駅分歩くようにする。 |
1週間のうち、「●回運動をする!」と決める。 |
周囲に運動報告をする。 |
無理のない運動量を把握する。 |
運動習慣を取り入れたことがない人がいきなり「運動をしよう!」と思うと、なかなか長続きしないものです。
しかし、腸活には自分が続けられる無理のない運動方法を身に着けることが大切です。
運動する時間がない人は、通勤時間を運動に変えるなど、日々継続できそうな運動習慣を作るといいでしょう。
②食事習慣
ズボラでもできる腸活ー食習慣編ー
発酵食品を取り入れる |
お肉より魚をとるように心がける。 |
アルコールを毎日から2日に1回にする。 |
自炊を週に一回増やす。 |
③生活習慣
ズボラでもできる腸活ー生活習慣編ー
便意を我慢しない。 |
リラックスできる趣味・習慣を見つけて、ストレスフリーに。 |
タバコの本数を減らす。 |
睡眠時間を確保する。 |
不規則な生活習慣は便秘の元。
睡眠時間を確保し、ストレス解消方法を見つけるだけで十分腸内環境は好転するでしょう。
まずは、タバコを一本控えるところから頑張ってみましょう!
便秘に効果的な「腸活」を3つ紹介
「今すぐに便秘を解消したいーー。」
そう考える方は多いかもしれませんが、すぐに腸内環境は良くなりません。しかし、腸内環境を良くする方法はたくさんあります。
①朝にコップ1杯の飲水習慣
朝食をとることで、腸は活動を始めます。コーヒーや紅茶、水でもなんでも大丈夫です!
まずは、腸の働きを促すため、朝の習慣を取り入れてみましょう。
②朝食後のトイレを習慣化する
朝くらいはゆっくりしたいものですが、「朝が一番忙しい」という方は多いと思います。
しかし、「腸活」のためにはリラックスする時間を朝に取ったほう良いです。
おすすめは、「朝食後はトイレに行く」ことです。朝食後に必ずトイレに行くようになると、身体がかってに習慣化してくれます。
③薬に頼りすぎない生活をする
もちろん、医者から処方されている薬など健康上薬を飲む必要がある人は、飲むべきです。
しかし、ちょっとしたことで睡眠薬や下剤に頼っている方も多いのではないでしょうか?
薬の中には腸内環境に作用し、腸内細菌を全滅させてしまうものもあります。
普段から薬に頼りがちな方は注意が必要です。
まとめ
ズボラでも取り組める便秘に効果的な腸活方法を紹介していきました。便秘の基準は2日に1回ですが、毎日1回の排便が理想的といえるでしょう。
便の状態で腸内環境はわかるため、ぜひ形状・色・臭いで、健康状態をチェックしてみてください。
便秘になりやすい運動習慣・食事週刊・生活習慣をできるところから、腸活をストレスにならない程度に継続してみましょう!
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など