長年、花粉症に悩まされているが仕事をしているので薬を手放せない。薬を服用する以外に花粉症を改善する方法はないのか?と悩んでいる人はいないでしょうか。
花粉症の薬は強くなるほど、眠くなる成分が入っていたりと日常で影響がでやすいですよね。
アレルギーは、腸内の悪玉菌が増えることで、有害物質が増加し免疫細胞に異常でアレルギーを引き起こしていることが原因とされています。
なので、腸内環境を整えるとアレルギー改善にも繋がっていけるのです。
そこで今回は、花粉症の体質改善の方法をご紹介していきます。
ちなみに、私は泌尿器科医ですが、なぜ腸活について語るのかはこちらでご確認ください。
泌尿器科院長がなぜ「腸活」にこだわるのか?便と尿は健康に密接に関係している
花粉症の体質改善の第一歩は「腸活」
そもそも、花粉症とは人体に無害な花粉に免疫システムが反応してしまい、かゆみ・くしゃみ・鼻水といったアレルギー症状が出現してしまいます。
つまり、花粉症の体質改善に必要なことは、免疫システムを正常な状態に戻すことです。
人体の免疫細胞の半数以上が腸内環境からできているため、腸内環境を整える「腸活」がもっとも効果的な花粉症の体質改善の第一歩となるでしょう。
さらに、腸活実践者によるアンケート調査では、腸活実践者が最も効果を実感した方法は「健康にいい食事」を継続していくことでした。
そこで、花粉症の体質改善のために、食事から始める腸活について具体的に何を食べたらいいのか、逆に気をつけた方がいいことを紹介します。
腸活と免疫システムの関係性は、『【腸活の基本】腸内環境を整えるとどうなる?免疫力が高まる!』でもご紹介しているため、花粉症のメカニズムから知りたいという方はぜひご参照ください。
花粉症の体質改善のために「食べた」ほうがいい食べ物
花粉症の体質改善のために摂ったほうがいい栄養・食品は、大まかに6つあります。
①ビタミンD
②水溶性食物繊維
③EPA・DHA
④ポリフェノール
⑤腸漏れ予防・抑制が期待できる食品
⑥複合乳酸菌生産エキス エンテロ
花粉症の体質改善につながる食べ物を栄養素ごとにご紹介します。無理せずに、継続して食べ続けられる食べ物を探してみてください。
①ビタミンDが摂れる食べ物
食品別 | ビタミンDが豊富な食品一例 |
魚 | かつお塩辛(酒盗) ・あん肝・生しらす干し・いくら・べにざけ・生いわし・生そうだがつお・うなぎ・蒲焼きさんま・まあじ |
肉 | うずらの卵・豚タン・全卵(鶏)・豚レバー・豚足 |
きのこ類 | 干し椎茸・舞茸・きくらげ・エリンギ・えのき |
ビタミンDは、カルシウムやリンなどのミネラル分の吸収を促進させる働きがある栄養素として有名ですが、それだけではありません。
実は、ビタミンDは免疫を調整する働きもあるんです!
ビタミンDが不足すると免疫の調整ができずに、花粉症を筆頭としたアレルギー症状を招くリスクが高まってしまうため、不足しがちなビタミンは意識的に摂りましょう。
食品での摂取が難しい場合は、日光を浴びることでもビタミンDが作られるため、日光浴の時間を作るのもいいですね。
②水溶性食物繊維が摂れる食べ物
食品別 | 水溶性食物繊維が豊富な食品一例 |
根菜 | れんこん、ごぼう |
海藻 | ワカメ、ヒジキ |
乳製品 | ヨーグルト、乳酸菌飲料 |
大豆 | きな粉 |
果物 | プルーン |
食物繊維には水溶性食物繊維と不溶性食物繊維がありますが、花粉症などのアレルギー症状に効果が期待できる食物繊維は「水溶性食物繊維」です。
水溶性食物繊維は腸内環境を作る善玉菌のエサとなり、善玉菌の増殖・活性化を促してくれるため、腸内環境が善玉菌優位な環境に導いてくれます。
善玉菌優位な腸内環境は腸を正常な働きに戻す効果が期待できるため、免疫システムも正常に働くようになり、免疫異常反応であるアレルギー症状の改善に期待が持てます。
③EPAとDHAが摂れる食べ物
食品別 | EPA・DHAが豊富な食品一例 |
青魚 | さんま、まあじ、イワシ、あなご、くろまぐろ、あゆ、まだら |
肉・卵類 | 豚肉、全卵 |
主に青魚に多く含まれているα-リノレン酸のエイコサペンタエン酸(EPA)とドコサヘキサエン酸(DHA)は、アレルギー症状の咳症状を引き起こすロイコトリエンの放出を抑える作用があります。
ロイコトリエンは気道を狭くする作用があるため、アレルギー症状である咳が起きやすくなってしまいますが、EPAやDHAは気道を拡張する作用があるため、喘息などによる咳や息苦しさの改善にも期待できます。
花粉症で咳症状が多く出てしまう方は、特に青魚を多く摂るといいでしょう。
肉・卵からも摂取は可能ですが、青魚のほうがよりEPA・DHAを摂取できるためおすすめです。
④ポリフェノールが摂れる食べ物
食品別 | ポリフェノールが豊富な食品一例 |
根菜・豆類 | れんこん、ショウガ、大豆 |
麺類 | そば |
チョコレート | チョコレート、ココア |
飲み物 | 甜茶(てんちゃ)、コーヒー、ルイボスティー |
アルコール | 赤ワイン |
果物 | ブルーベリー、カリン |
ポリフェノールには酸化作用があり、人体の過酸化脂質を還元する作用があるため、老化・免疫力の低下防止の効果が期待できます。
ポリフェノールの中にはイソフラボンやカカオポリフェノールなど様々な種類があり、約8,000種類も発見されているため、様々な食品から摂取できますが、もっともポリフェノールが多いといわれているのは赤ワインと言われています。
アルコールになるため、摂取が難しい方はれんこんやブルーベリーなど毎日少しずつ食べやすい食品からポリフェノールを摂るといいでしょう。
特に、れんこんは花粉症の原因であるIgE抗体の産出を抑制する効果も期待できますし、チョコレートはIgE抗体自体をできにくくする効果やアレルギー症状を引き起こすヒスタミンの産出も抑えられるためおすすめです。
飲みやすさでは、ヒスタミンの産生を抑える甜茶やコーヒーも良いでしょう。ルイボスティーならカフェインが含まれていないため、寝る前にも飲みやすいです。
何事も摂りすぎると良くないため、1日マグカップ1杯程度に抑えて摂取できるといいですね。
⑤腸もれの予防・抑制が期待できる食べ物
食品別 | 腸漏れ予防・抑制と相性がいい食品一例 |
野菜 | たまねぎ、にんにく、サトウダイコン、たけのこ、とうもろこし、ごぼう、さつまいも |
海藻類 | わかめ、ひじき |
豆製品 | 大豆、しょうゆ、みそ |
乳製品 | ヨーグルト、乳酸菌飲料 |
発酵食品 | 納豆、キムチ、ぬか漬け、ピクルス |
果物 | バナナ |
「腸漏れ」という言葉を聞いたことはありますか?
腸漏れとは、細胞間のゆるみから腸壁の粘膜に複数の極小の穴が空いてしまい、腸内細菌やタンパク質・有害物質などを身体内に漏れ出してしまう状態のことです。
腸内からタンパク質が漏れ出ると、免疫システムが体内に侵入してきたたんぱく質を攻撃し、アレルギー症状がでやすくなります。
腸漏れを予防・抑制するためには粘膜に穴があくような腸内環境を脱却し、善玉菌優位の健康な腸にする必要があるため、腸活実践者御用達のヨーグルトなどの健康にいい食品を摂ると良いでしょう。
⑥「複合乳酸菌生産エキス エンテロ」がおすすめ
花粉症の体質改善に良い食品をたくさん紹介しましたが、実は生まれつき善玉菌を持っていないヒトもいるのは、ご存じですか?
腸活は、腸内に善玉菌がたくさんいることが重要ですが、元々菌を持っていない人に「善玉菌のエサとなる食品」を食べ続けてもあまり意味がありません。
花粉症の体質改善には、腸の環境を整えた状態で、腸にいいと言われる発酵食品や食物繊維を多く含んだ食品を摂取し継続していくことが一番です。
そこで、わたしがおすすめしているのは、「複合乳酸菌生産エキス エンテロ」
いい菌を体に取り込むという意味で推奨しています。
手軽に良い菌を摂取できるため、無理なく続けることができるのもおすすめのポイントです。
花粉症の体質改善が続かなったという方も、手軽に始められるため、ぜひ試してみてください。
花粉症の体質改善のために、「食べない」ほうが良い食べ物
花粉症の体質改善のために食べないほうが良い食べ物は、3つあります。
①ファストフード
②マーガリン・スナック菓子
③アルコール
①ファストフード
ファストフードは、マーガリン、ショートニング、ファットスプレッドなどが多く含まれており、油・脂肪酸だらけです。
油っこい食事がほとんどのファストフードを週3回以上ファストフードを食べている子どもは、喘息などのアレルギー疾患になりやすいという研究論文(アジア太平洋呼吸器学会誌)も出ているほど、花粉症とファストフードの相性は良くありません。
花粉症を直したいという方は、ファストフードを継続的に撮り続けないようにしましょう。
②高脂質なマーガリン、スナック菓子など
ファストフードと同じく、高脂質なマーガリンやスナック菓子などを食べる習慣がある方は、3日に1度など、頻度を落とすといいでしょう。
腸内環境を悪化させる悪玉菌は「高脂質・高たんぱく」をエサに増殖・活性化するため、免疫システムにダメージを与えてしまう可能性が高いです。
食べなさすぎるのも良くありませんが、消化しきれない脂肪分が悪玉菌を増やす恐れがあるため、花粉症の体質改善の天敵とも言えます。
③アルコール
人体はアルコールを分化した際にアセトアルデヒドを産出し、ヒスタミンを誘発してしまうため、アルコールの摂りすぎは花粉症を悪化させる危険性が高いです。
また、アルコールの作用として血流が乱れることで鼻づまりや充血なども引き起こしやすくなるため、花粉症シーズンの飲酒はできる限り避けましょう。
ポリフェノールを多く含む赤ワインは花粉症の体質改善には有効ですが、アルコールを摂りすぎることで花粉症のアレルギー症状が悪化してしまう可能性があるため、飲みすぎは厳禁です。
花粉症に悩まされている人は腸が正常に機能していない
花粉症に悩まれている方は、免疫システムが過剰に働いている状態にあるため、人体の70%の免疫システムが集中している腸が正常に機能していない可能性が高いです。
腸を正常な働きにするためには、腸活が最適!
実は、花粉症の体質改善のためにご紹介した食品たちはすべて「腸活」のためになる食品でもあります。
腸内環境は、善玉菌・日和見菌・悪玉菌の3種類で構成されており、「善玉菌>悪玉菌」に保たれることで、善玉菌優位になり、腸が正常に機能するための環境が整えられます。
反対に「善玉菌<悪玉菌」となることで、腸の蠕動運動の不足・便秘などが引き起こされ、腸の粘膜の損傷である腸漏れにつながってしまうでしょう。
善玉菌優位な腸内環境を作り維持することで、花粉症の体質改善だけでなく、便秘や免疫力を高める働きが期待できるため、ぜひ、腸内環境を整える活動「腸活」を実践してみてください。
『腸活の始め方』や『腸活実践者の声』もご紹介しているため、ぜひ参考にしてみてください。
まとめ
薬を手放すために花粉症の体質改善をしたいと考えている皆様に、腸活をご紹介しました。
今回は、花粉症の体質改善の第一歩に、食から始める「腸活」として、①ビタミンD②水溶性食物繊維③EPA・DHA④ポリフェノール⑤腸漏れ予防・抑制が期待できる食品⑥複合乳酸菌生産エキス エンテロをおすすめしました。
また、花粉症の体質改善の観点から「食べない」ほうが良い食べ物として、①ファストフード②マーガリン・スナック菓子③アルコールがあげられます。
花粉症に悩まされている人は腸が正常に機能していない場合が多いため、ぜひ腸活を始めてみてください。
また、紹介しました複合乳酸菌生産エキス エンテロは当病院または通販サイトで購入できますので興味ある方は各自でお買い求めください。
監修:医療法人 神楽岡泌尿器科院長 渋谷のプロフィール
1961年(昭和36年) | 旭川生まれ |
1980年(昭和55年) | 道立旭川東高等学校 卒業 |
1988年(昭和63年) | 札幌医科大学 |
神楽岡泌尿器科では、「排尿に関してのかかりつけ医になりたい」という思いで日々診療に努めており、早期発見・早期治療ができるよう、患者本位で気軽に緊張せず受診していただける病院づくりに励んでいます。
当院を映像でもご覧いただけるため、雰囲気を知りたいという方はぜひご覧ください。
私は泌尿器科院長をしており、腸活によって得られる便秘解消作用と健康には深いつながりがあると考えています。
腸活と健康との関わりについての考えを『泌尿器科院長がなぜ「腸活」にこだわるのか?便と尿は健康に密接に関係している』でまとめているため、知りたい方はぜひご覧ください。
出版年数 | 著書・メディア掲載 |
2014年 5月15日 | |
2016年 5月10日 | |
2016年 10月27日号 |
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など