小さなお子様がいる家庭は、オムツ替えお風呂など子どもの性器に触れる機会も多いでしょう。そこで、ちんちんに異常があれば大変驚かれるでしょう。
当院でも、親御さんから「子どものちんちんにしこりがある。腫瘍でしょうか?」と不安そうにご相談をいただく方もいます。
しかし、長年泌尿器科医として子どもを診察してきましたが、子どものちんちんに腫瘍があったケースは見たことがありません。
多くの親御さんたちが見つける、子どものちんちんにしこりの正体を泌尿器科院長の渋谷が解説します。
子どものちんちんのしこりの原因
子どものちんちんのしこりの原因は、恥垢(ちこう)、皮脂の成分で垢の一種である場合がほとんどです。
恥垢ときくと、白っぽいイメージを持つかもしれませんが、子どもの恥垢は黄色く透けて腫れているように見えます。
一見、腫瘍があるのでは?と心配されるご両親も多いですが、私は30年近く尿器科で症例を見ていますが、入学前の子供のおちんちんに腫瘍が合った事例を見たことがありません。
感染を起こして腫れて痛みが出ているような場合以外は、ほとんど経過観察で、治療や処置の必要はありません。
ほとんどの子どものちんちんのしこりは、恥垢(皮脂の成分で垢の一種)であると思ってもらっても大丈夫です。
子どものちんちんにしこりができる原因
そもそも、何故子どものちんちんにしこりができるのでしょうか?
しこりの原因となってしまう恥垢とは、残尿や皮脂・汗などが混じり合ってできたものです。
まだ、ちんちんの皮がむけていない子供では、亀頭と皮の間はちゃんと洗えていない場合が多く、汚れがたまりやすいんです。
子どものちんちんのしこりの対応
子どものちんちんのしこりの原因となってる恥垢は、時間が経てば痛みもなく簡単にとれるため、ご安心ください。
薬を飲んだり手術をしたりと、痛いことは何もする必要ありません。
恥垢は、亀頭が皮とくっついているだけですから、皮から頭が出るようになれば自然と取り除かれます。
とはいっても、恥垢がたまっている間は不衛生のため、シャワーで洗って流す必要があります。子どもに、「お風呂で、シャワーをかけてちんちんの先だけ出して洗ってね」と伝え、子ども自身にやってもらいましょう。
親御さんが石鹸を付けて洗ったり、無理に皮をずらそうとしたりすると痛みが出てしまうため、本人が嫌がる原因となります。子ども自身に痛みが出ない加減で自分で洗ってもらって下さい。
大切なことは、おちんちんの頭を皮から出すことです。外尿道口(おしっこの出口)や亀頭が出るのは正常なこと。
包茎が原因で包茎がんになる方もいらっしゃるため、洗うときに亀頭を出すだけでも十分亀頭を出す訓練になります。
本当に原因が恥垢なのか不安・・・
これまで、おちんちんのしこりの原因が恥垢であるとお伝えしましたが、とはいっても親御さんにとって大切なお子様。
本当にしこりの原因が恥垢なのか不安ですよね。不安な時は、まずは一定期間様子を見てみましょう。
何かが起きて突然病院に行くのではなく、「この一週間で痛みが増してきた、熱っぽくなってきた、数が増えてきた」など、変化があるはずです。変化を確認すると、受診すべきかの理由がわかり、「なんとなくの不安」が薄れるでしょう。
勿論我慢しすぎるのは良くないですが、経過観察は大切です。
勿論、何を観察したら良いのかわからない場合や、症状に変化が見受けられる場合などは、痛いことはなにもしないため、まずは相談して下さい。
当院のメール相談は無料で行えます。ぜひ、お気軽にご相談下さい。
まとめ
子どものちんちんのしこりの原因・対応について解説いたしました。
こどものちんちんのしこりが腫瘍であるケースは少なく、ほとんどが恥垢と呼ばれるおしっこの残りや皮脂・汗などが固まったモノです。皮から亀頭がでることで自然と取り除かれます。
お子さんに、痛みが出ない範囲で皮をむいてシャワーで洗ってみるように伝えてみてください。また、子どものちんちんのしこりについては、YouTubeの動画でも解説しているため、ぜひ参考にしてください。
当院では、無料のメール相談を随時受け付けています。勿論、相談したからといって必ず当院に受診に来る必要もありません。気軽に、オシッコの不安をご相談いただければと思います。
院長の渋谷先生がどんな人かみてみる
当院の院長はオシッコスペシャリストとして、子供の排尿について「どのように教育したらいいのか困っている」という方の答えになるように、オシッコの本を出しています。
著書ではより詳しくオシッコの習慣について書いています。おしっこに悩む全ての人に捧げた本なのでお悩みの方は参考にしてみてください。
お子様向けのおすすめ記事
『気持ちいいオシッコのすすめ』
著者:渋谷秋彦
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など