尿路結石の検査方法・手順は?費用相場や痛みを抑える方法を解説

「排尿時に強い痛みとともに血尿が出た」

「腰から下腹部にかけて長時間続く痛みが現れた」

上記のような症状から、悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

排尿時の血尿や腰から下腹部に掛けた傷みは、尿路結石の可能性があります。

尿路結石であるのにもかかわらず、放置してしまうと感染症や腎臓機能の低下を招いてしまうケースも少なくありません。

そこで本記事では、尿路結石であるか調べるための検査方法や手順について解説しています。

尿路結石の疑いがある方は、検査方法を参考に泌尿器科を受診してみてください。

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」

札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など

尿路結石はどのような検査方法がある?

尿路結石の検査方法は、以下の4つがあげられます。

  • 尿検査
  • 腹部単純X線検査
  • 超音波検査
  • CT検査

それぞれの方法について詳しく解説していきます。

尿検査

尿検査を行なうことで、尿の中に血液が混じっていないか確認できます。

また、血が混じっているかだけでなく、尿検査を通して尿路結石の存在を示す結晶成分が出ていないか確認することが可能です。

たとえば、尿路結石はシュウ酸カルシウムやリン酸カルシウム、シスチンなどで出来ており、尿検査を行った際に数値が大きく出た際には、結石が体内にできている可能性があると診断されます。

尿検査を通して体内に尿路結石が出来ている可能性がわかった場合は、腹部単純X線検査や超音波検査などさらに高度な検査で状態を確認します。

腹部単純X線検査

腹部単純X線検査は通称「レントゲン撮影」を指し、下腹部に尿路結石の結晶が存在しないかチェックする検査方法です。

約90%の結石は、腎臓や尿管・膀胱などのレントゲン撮影を行った際に、発見することが可能です。

ただし、尿路結石が骨盤近くにある場合は、静脈石と似ている点から判断が難しくなる可能性もあります。

レントゲン撮影を行なうと結石の位置がわかりますが、カルシウム結石以外の尿酸結石などは検出できないため、注意が必要です。

超音波検査

超音波検査は放射線を利用しない点が最大のメリットで、尿路閉塞の状況を確認することが可能です。

CTとは異なり放射性を使わない点から、妊婦にも有用な検査方法として実施されています。

ただし、超音波検査の場合は中~大サイズの尿路結石を感知できますが、小さい結石は検出しにくい点がある点を考慮しましょう。

CT検査

CT検査は放射線を使用して体の隅々まで調査を行える検査方法です。

放射線を妊婦には使用できないといったデメリットがありますが、尿路結石の細かな位置状況を把握できます。

また、CT検査は尿路結石だけでなく、身体の状態を細かく確認できるので、ほかにも異常が起きていないかチェックしてもらうことが可能です。

尿路結石の有無を通して体の隅々まで検査を行いたい方に向いているでしょう。

尿路結石の検査の流れ

次は尿路結石の検査を行う一連の流れについてご紹介します。

それぞれの流れを把握しておくと、検査をスムーズに行えますよ。

  • 問診
  • 尿・血液検査
  • 画像検査
  • 治療方針の決定
  • 治療

尿路結石の疑いがある方は、検査の流れを確認しておきましょう。

STEP1.問診

尿路結石の検査を行う場合は、まず泌尿器科医の問診を受けましょう。

問診時には、尿路結石かもしれないと感じた内容について詳しく説明してください。

たとえば、「どのようなタイミングで痛みを感じたか」「どの部位が痛くなったか」「どのくらい痛みが続いたか」などを説明するのがおすすめです。

実際に痛みを感じたり血尿をみたりするのは自分だけになるため、症状を詳しく考えてもらうためにも状況説明ができる状態を整えておきましょう。

STEP2.尿・血液検査

泌尿器科医による問診が終わったあとは、尿や血液検査が行われます。

尿の中に血液が混ざっていないか、結晶成分が現れるか確認することが可能です。

尿や血液検査はスムーズに行えるため、医師が必要だと判断した際には速やかに対応しましょう。

STEP3.画像検査

尿や血液検査と合わせて、腹部単純X線検査「レントゲン撮影」を行う場合があります。

レントゲン撮影で結石の有無・位置がわかるため、どのような状況か判断しやすいです。

レントゲン撮影が必要と診断された際には、指示に従って腹部単純X線検査を受けてください。

STEP4.治療方針の決定

尿路結石があることがわかった際には、治療の方針を決めます。

治療方針は尿路結石のサイズによって変わり、小さい場合は自然排石を促されます。

一方、尿路結石のサイズが大きい場合は、体外から衝撃波で砕石を行なう方法と、内視鏡を使用した手術による摘出で取り除くことが可能です。

治療方法によって費用や治療内容が大きく変わるため、泌尿器科医と相談しましょう。

下記は尿路結石の治療方法について詳しく解説している記事になるので、本記事と合わせてチェックしてみてください。

STEP5.治療

治療方針が決まったあとは、方針に合わせて治療を開始します。

尿路結石の手術が必要だと判断された場合は、下記が入院期間の目安です。

手術方法入院の目安期間
体外衝撃波砕石術1日~2日
経尿道的結石砕石術数日~1週間
経皮的腎・尿管砕石術1~2週間

手術をする際には、4日~1週間程度を目安にしましょう。

尿路結石の検査費用の相場

尿路結石の検査費用は、検査内容によって相場が変わります。

たとえば、尿検査や血液検査で住む場合は、約300円~2,000円程度(3割負担)で収まります。

しかし、CT検査を行う場合は、3割負担でも約6,000円から10,000円前後かかってしまいます。

高度な技術になるほど検査費用が高くなるため、事前に検査費用を用意しておくのがおすすめです。

細かな金額は泌尿器科の環境によって変わるので、正確な費用が知りたい場合は、通う泌尿器科に電話連絡で確認すると良いでしょう。

尿路結石の検査前に!痛みを抑える方法

尿路結石の検査を受ける前に、激しい痛みを感じるケースも少なくありません。

特に尿路結石は夜中から朝方にかけて痛みが起きやすく、病院が開院していない場合が多いです。

検査前の痛みを抑える方法を紹介するので、参考にしてみてください。

寝るときの姿勢を意識する

尿路結石による痛みが起きた場合は、寝るときの体勢を意識してみましょう。

たとえば、下腹部に強い痛みを感じている場合は、痛い部分を下にして圧迫するような体勢を取ると、痛みが和らぎやすいです。

そのため、下腹部やお腹に痛みを感じる場合は、うつ伏せを意識して寝るのがおすすめです。

また、尿路結石は人によって痛みを感じる位置が変わるため、楽に感じる姿勢を見つけると痛みによる負担を抑えられますよ。

水分を多めに摂取する

尿路結石によって腰や下腹部が痛い場合は、水分を多く摂取しましょう。

コーヒーや紅茶は尿路結石の原因につながるため、麦茶や純水を摂取するのがおすすめです。

水分を摂取すると、排尿する量が増えるため、排石に役立つ可能性があります。

尿路結石の再発リスク

尿路結石は再発リスクが高く、食事や生活を適切に行わなければ約80~90%の確率で再発します。

健康検査時など、定期的に尿路結石の検査も受けることで再発した際の早期発見が行えるので、取り除けた後も生活には気を付けるようにしましょう。

まとめ

尿路結石の疑いがある場合は、さまざまな検査方法で確認できます。

なかでもレントゲン撮影や尿検査が手軽に行えるため、尿路結石を取り除いた後も定期的に受けるのがおすすめです。

尿路結石の検査方法を把握し、泌尿器科での検査をスムーズに受診できるよう、ぜひ​​今回の記事を参考にしてください。

当院 神楽岡泌尿器科では、院長直通無料メール相談も承っております。人には相談しづらいおしっこに関するお悩みや尿路結石に関するご質問など、お気軽にご相談ください。

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