前立腺肥大は多くの男性がなる状態で、頻尿や残尿感、尿漏れに悩まされることが多いものです。放っておくと悪化してしまい、最終的には尿が出ないということにも繋がります。
そこで今回は、前立腺肥大を多く診療した神楽岡泌尿器科が、自宅や周辺で気軽にできる前立腺肥大を予防する運動を紹介していきます。
そもそも前立腺にいい運動とは何か?具体的に何をすれば良いのかを解説していますので、前立腺肥大による頻尿や残尿感にお悩みの方、防ぎたい方はぜひご覧ください。
また、今回紹介する運動は誰でも始められる簡単なものを紹介しています。大切なのは習慣化することですので、自分に合う方法を試してみましょう。
前立腺にいい運動とは
前立腺は座り続けることで負担が増大します。前立腺肥大の原因は完全には解明されていませんが、座りっぱなしで血流が滞ることや、テストステロンと呼ばれる男性ホルモンが減少することが原因だと考えられています。
そのため数時間に一回、立ち上がってできる運動や、テストステロンを増やす筋肉トレーニングが前立腺にいい運動と言えます。
前立腺を小さくするのではなく、現状より悪化させない、負担をかけないための運動ということです。
前立腺肥大症に効果的な運動紹介
ここでは、具体的にどういった運動が効果的なのかを紹介していきます。
ウォーキング
1日に30分程度のウォーキングは前立腺への負担を軽減してくれます。ウォーキングは他の有酸素運動と比べて負荷が少ないため、年齢に関係なく行える点がポイントです。
運動は習慣化することが大切なので、普段運動をあまりしない方はウォーキングから始めてみましょう。30分が辛ければ、まずは15分など区切って行うことがおすすめ。大切なのは継続することです。
スクワット
住んでいる環境や生活リズムによっては中々ウォーキングの時間が取れないこともあるかと思います。
そんな時はスクワットがおすすめ。スクワットは前立腺への負荷を減らすだけでなく、下半身の血流を良くします。
さらに、前立腺肥大の原因と考えられているテストステロンの減少を抑えることができ、頻尿や尿漏れを防ぐ効果が期待できます。
まずは朝晩10回程度を目安にして、無理の無い範囲で継続していきましょう。やり方は以下の通りです。
今日できなかった人のために、手軽なストレッチ
体が疲れていたり、雨が降っていたりと有酸素運動ができない日もあるかと思います。そんな時は、家の中で気軽にできる「骨盤底筋体操」というストレッチがおすすめ。
骨盤底筋体操は、特に尿漏れがある方に効果的にストレッチで、行うことで咳やくしゃみをした時の尿漏れを防ぐ効果が期待できます。
具体的なやり方は以下の通り。
- 椅子に深く腰掛ける
- 尿道・肛門をギュッと締めてから、緩める
- 2の手順をゆっくり25回行う(締める→緩めるで1セット)
- ひざが伸び切る直前で止め、再度腰を下ろす
- 椅子に深く腰掛ける
- 尿道・肛門をギュッと締めてから、緩める
- 2の手順をゆっくり25回行う(締める→緩めるで1セット)
上記の方法を、1日4回(朝、昼、夜、就寝前)に行ってみましょう。効果が現れるまで3ヶ月程度かかると言われているため、これも継続が大切です。
他の運動に比べかなり手軽にできるため、習慣化しやすいことも特徴。他の運動が続かない場合でも、骨盤底筋体操にチャレンジしてみてください。
まとめ
今回は前立腺肥大を悪化させないための運動について解説しました。前立腺は血流が悪くなることやテストステロンの減少が原因で肥大すると考えられています。
そのため、座りっぱなしの姿勢が一番前立腺に負担をかける状態です。数時間に一回立ち上がることを意識し、可能であればウォーキングやスクワットなどの運動を始めていきましょう。
運動の時間が取れない場合や、負荷が大きく継続が難しい場合は骨盤底筋体操から始めることで徐々に習慣化させることもできます。
また、前立腺肥大の悪化を防ぐには、運動だけでなく食生活の見直しも重要です。以下の記事で具体的に解説しておりますので、前立腺への負荷を増やしたくない方はご覧ください。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など