- 「ちょっとおしっこが少ないだけ…」
- 「おしっこが減ったのは、きっと年のせい」
- 「別にでなくなったわけじゃないから大丈夫」
- 「痛いわけじゃないし、困ってもない」
- 「恥ずかしいし、すぐに何かある訳じゃないだろうし」
などなど。
おしっこの量が少なくなったにも関わらず、さまざまな理由を付けて泌尿器科を受診しない方は非常に多くいらっしゃいます。
しかし、おしっこが少ないのは危険な病気が隠れている可能性が高いのです!
「たかがおしっこ」ではなく、「おしっこに影響が出るくらい身体に異常があるかもしれない」と考え直す必要があります。
ここでは、泌尿器科院長の渋谷が、一般的な基準値・おしっこの量のセルフチェック方法・おしっこが少ないと考えられる病気をご紹介します。
自分のおしっこは少ないのか?排尿量の基準
一般的なおしっこの量の基準 | |
成人男性 | 1,500 ml/日 |
成人女性 | 1,200 ml/日 |
おしっこの量が少ない人 | 0~400 ml/日 |
おしっこは、男性・女性で基準が異なっており、成人男性は1,500ml。成人女性は1,200mlとなっています。
もちろん、排尿量は生活習慣にも左右されるため基準値を上回っていれば大丈夫とも言い切れません。
400ml程度出ていても、炎症などで腎臓がうまく尿を作れなくなっている状況と考えられます。
「500mlはでてるから大丈夫!」と考えるのではなく、「基準値よりも低いけど、大丈夫かな…?」「どうしておしっこの量が少ないんだろう?」と、自分の排尿量に疑問を持つようにしましょう。
おしっこの量が少ないと考えられる原因
おしっこの量が少ない場合、病的な理由が潜んでいる可能性もあります。どんな病気があるかここでみていきましょう。
- 前立腺肥大症
- 前立腺がん
- 神経因性膀胱査
- 尿路結石
おしっこが少ないと思っている方は、「いや、自分は大丈夫」とどこかで思っているもの。
まだ大丈夫と思っている方は、自分のおしっこがどのような状況かを客観的にみれていない可能性があります。
自分のおしっこを客観的にみて、「私・俺のおしっこは大丈夫!」と思うからこそ安心できます。まずは、自分のおしっこの量を明確に知るところから始めましょう。
【解決策】自分のおしっこの量を明確に知ることから
自分のおしっこの量を明確に知るには、「1回量・色・残尿感・切迫感・1日の排尿量」を毎日つける排尿日記を付けるといいでしょう。
自分のおしっこと客観的に向き合うことで、不要な検査をしなくて済んだり、正常なのか異常なのかわかってきます。
おしっこが長い、少ないはあくまで個人の感覚でしかないので、定量的に表していくのが「排尿日誌」なのです。
排尿量なんて計るのは面倒、計量カップを使いまわすのは気分的にイヤという方は、計量カップをわざわざ買う必要はありません。
ビールやお茶の缶(350ml)、500mlのペットボトルの3分の1をカットして(300〜400ml)使うだけで十分です。
2・3日分付けていただいたものを泌尿器科医が見れば大体の病態が把握できます。
受診する前に日誌をつけておくのも治療の目安となります。
ー注意ーおしっこが出ない場合はすぐに病院へ
自分のおしっこの量を明確に知って基準と照らし合わせた際、「自分の量が少ない」と気が付いた方は、すぐに泌尿器科を受診しましょう。
- 「ちょっとおしっこが少ないだけ…」
- 「おしっこが減ったのは、きっと年のせい」
- 「別にでなくなったわけじゃないから大丈夫」
- 「痛いわけじゃないし、困ってもない」
- 「恥ずかしいし、すぐに何かある訳じゃないだろうし」
などなど
さまざまな言い訳をして、今まで受診を後回しにしていませんか?
おしっこが出にくくなっただけという考えは間違いです。おしっこは身体に不必要な不純物を出す役割をはたしています。
体に吸収しきれなかった不必要なモノが身体に溜まり続ければ、腎不全や尿が完全に出なくなり手術をすることにもなってしまう可能性もあります。
たとえ、おしっこの量が基準値前後だったとしても、少しでも気持ちの悪いおしっこが続くなら、必ず近くの病院を受診しましょう。
まとめ
おしっこの量が少ないと感じている方に、一般的な基準値や、おしっこの量のセルフチェック方法・おしっこが少ないと考えられる病気をご紹介しました。
おしっこの感じ方は人それぞれなので、そこを客観的に評価するために「排尿日誌」を進めています。
また、少しでも不安に思ったら、近くの病院を受診するようにしてくださいね。
監修:医療法人 神楽岡泌尿器科院長 渋谷のプロフィール
1961年(昭和36年) | 旭川生まれ |
1980年(昭和55年) | 道立旭川東高等学校 卒業 |
1988年(昭和63年) | 札幌医科大学 |
神楽岡泌尿器科では、「排尿に関してのかかりつけ医になりたい」という思いで日々診療に努めており、早期発見・早期治療ができるよう、患者本位で気軽に緊張せず受診していただける病院づくりに励んでいます。
当院を映像でもご覧いただけるため、雰囲気を知りたいという方はぜひご覧ください。
また、おしっこの悩みに関する書籍も発売していますので、頻尿に悩まれている方は参考にしてみてください。
参考:Amazon
出版年数 | 著書・メディア掲載 |
2014年 5月15日 | |
2016年 5月10日 | |
2016年 10/27号 |
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など