夜、おしっこのために起きてしまうことはありませんか?
夜におしっこで目が覚めるのは、「夜間頻尿」と名称がつくほど悩んでいる方が多い症状です。
加齢に伴って増えるため、50歳以上の2人に1人はいると言われるほど悩みを抱える方が多くいらっしゃいます。
「なんかだるいな…」「仕事中ずっと眠たい」「ちょっとしたことでイライラするようになった」など感じてはいませんか?
それは、夜のおしっこのせいで眠れなくなってしまい体調を崩し始めている合図です。
泌尿器科に行きづらい・恥ずかしいと思っている方に、最近夜のおしっこが近い原因と解決策を、泌尿器科の院長の渋谷がご紹介していきます。
夜おしっこが近いと考えられる原因
夜におしっこが近くなる原因は、大きく分けると①加齢②生活習慣③疾病・薬の副作用の3つです。
疾病や薬の副作用で尿量が増えてしまい、おしっこが近くなっている方もいらっしゃいますが、多くは加齢と生活習慣によるものです。
加齢の原因としては、入眠中には尿の量を少なくするホルモンが出ていますが、加齢によってホルモンの分泌量が減ると、夜の尿量が多くなり、おしっこで起きるようになります。
加齢・疾病や薬の副作用によるおしっこ習慣は、自分だけの努力だけで改善は難しいですが、夜におしっこで起きる生活から脱却できる可能性があります!
- 寝る前に水を大量に飲んでいる
- 血圧が高くなる食事習慣
水分を必要以上寝る前に飲んでしまったり、血圧が高くなる塩分の多い食事・暴飲暴食・過剰な飲酒をしたりし続けると、数十年後に夜間にトイレに行くようになる可能性が高くなります。
血圧が高くなるとおしっこを作る腎臓をめぐる血液量が増えて排尿回数が増えるため、夜おしっこに行く方は血圧が高くなっている可能性もあるため、注意が必要です。
心当たりがある方は、将来の自分の健康のために食事の習慣を変化させるところから始めるといいでしょう。
次に、女性・男性に分けて、夜におしっこで起きる原因をお伝えします。
【女性に多い】おしっこで夜に目が覚める原因
女性に多い夜におしっこで目覚める原因として、
- 過活動膀胱
- 便秘
- 子宮筋腫
- 卵巣腫瘍
過活動膀胱は女性に多く、多少しか尿がたまっていないにも関わらず、尿意を感じてしまったり、膀胱が勝手に収縮してしまうため夜におしっこで目が覚めてしまいます。
また、便秘の場合や子宮卵巣の腫れがあると膀胱が圧迫されてトイレに行きがちな習慣になります。
便秘の解消方法については、「腸活」がおすすめ。
神楽岡泌尿器科では腸活情報を更新しているため、ぜひ、便秘解消のため腸活にチャレンジしてみましょう。
【男性に多い】おしっこで夜に目が覚める原因
- 前立腺肥大症
- 前立腺がん
- 睡眠時無呼吸症候群
- メタボリックシンドローム
前立腺肥大症や前立腺がんになると、前立腺が腫れたり、がんがおしっこの邪魔をしたりするため排尿がしにくくなります。
前立腺は尿道を囲むようないちにあるため、膀胱に近く、前立腺肥大・がんがあると膀胱が過敏になることがあって夜に目が覚めやすくなりがちです。
「前立腺肥大なんて、自分には関係ない…」「病気になんてなるわけない」と思っている方も、50歳代から前立腺肥大症の人口は爆発的に増えます。
前立腺がんになると初期症状がほぼないため、おしっこが近くなったり勢いがなくなったりなど、些細なことに感じても泌尿器科への検査・受診をおすすめします。
「夜のおしっこが近い」が続く生活への影響
1度おしっこの悩みを「恥ずかしい」と思ってしまうと、泌尿器科には行きにくいです。
しかし、「夜のおしっこが近くなった」ことで、生活に影響がでていませんか?
- Q1.日中に眠たくなることが多くなっていませんか?
- Q2.散歩や買い物などおでかけをする頻度が下がっていませんか?
- Q3.おしっこに行かないようにと、無理に水を飲むのを我慢してはいませんか?
夜におしっこで起きるたびに睡眠が阻害され、眠れない日々にストレスを感じている方は、質のいい深い睡眠がとれなくなり、健康を損なう可能性が高いです。
「なんかだるいな…」「仕事中ずっと眠たい」「ちょっとしたことでイライラするようになった」などは続いていませんか?
夜のおしっこが増えると、睡眠の質が悪くなり生活に悪い影響を与えてしまう場合があります。
睡眠は、次の日の活力の源です!
「夜のおしっこが原因なんて恥ずかしい」「ちょっと眠たいだけだから大丈夫」「昔はもっと眠らなくてもどうにかなってた」と思い、受診を控える方も多くいらっしゃいますが、睡眠がおろそかになると生活の質は間違いなく落ちます。
夜に1回以上おしっこで起きてしまい、次の日に影響が出ている方は、放置をせずに夜のおしっこを解決しましょう!
旭川にある神楽岡泌尿器科では、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを心がけており、病院まで来られない方々にも往診で対応していきます。
患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。ぜひ気軽に疑問点や懸念内容をご相談下さい。
放置は禁物「夜のおしっこが近い」を解決する方法
「夜にどうしておしっこに行きたくなってしまうのか?」
生活習慣・飲んでいる薬の副作用・隠れた疾病など、人によって異なってしまうため、解決するためには泌尿器科への受診が必要です。
まずは、「夜におしっこに行きたくなる」自分だけの原因を知るところから始めましょう。
何が原因かを知るためには、尿を見たり、排尿習慣を確認する必要があります。
しかし、おしっこのことを口で伝えるのはちょっと恥ずかしいですよね?
そんな時は、おしっこのことをまとめてみるのが良いでしょう。
「1回量・色・残尿感・切迫感・1日の排尿量」を毎日つける排尿日記を付けることで、口に出さずに、悩みを医者に伝えることができます。
「排尿量なんて計るのは面倒…」「計量カップを使いまわすのは気分的にイヤ」という方は、計量カップをわざわざ買う必要はありません。
ビールやお茶の缶(350ml)、500mlのペットボトルの3分の1をカットして(300〜400ml)使うだけで十分です。おむつを着用している方は、おむつを捨てる前に重さを計ると良いでしょう。
2・3日分付けていただいたものを泌尿器科医が見れば大体の病態が把握できます。
まずは、定量的に自分のおしっこと向きあってみましょう!
まとめ
夜におしっこで起きてしまう原因は大きく分けると3つあり、①加齢②生活習慣③疾病・薬の副作用が考えられます。また、性別でも原因が異なります。
睡眠の質が下がると生活にも影響がでてきます。
気になる方はお近くの病院へ早めに受診しましょう。
監修:医療法人 神楽岡泌尿器科院長 渋谷のプロフィール
1961年(昭和36年) | 旭川生まれ |
1980年(昭和55年) | 道立旭川東高等学校 卒業 |
1988年(昭和63年) | 札幌医科大学 卒業 |
神楽岡泌尿器科では、「排尿に関してのかかりつけ医になりたい」という思いで日々診療に努めており、早期発見・早期治療ができるよう、患者本位で気軽に緊張せず受診していただける病院づくりに励んでいます。
当院を映像でもご覧いただけるため、雰囲気を知りたいという方はぜひご覧ください。
私は泌尿器科院長をしており、腸活によって得られる便秘解消作用と健康には深いつながりがあると考えています。
腸活と健康との関わりについての考えを『泌尿器科院長がなぜ「腸活」にこだわるのか?便と尿は健康に密接に関係している』でまとめているため、知りたい方はぜひご覧ください。
出版年数 | 著書・メディア掲載 |
2014年 5月15日 | |
2016年 5月10日 | |
2016年 10/27号 |
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など