この記事は、日常で頻尿に悩む人の声から、当院、神楽岡泌尿器科院長 渋谷がQ&A方式でお悩みを読み解きます。
頻尿に悩んでいるが病院にいくほどでもないと思っている人、自分のおしっこに違和感を感じモヤモヤしている人、ネットで頻尿を治す術はないのか探っている人はぜひ参考にしてみてください。
今まで人に相談できなかった悩みがスッキリ解決するかもしれません。
- 今悩んでいるこの症状は頻尿なのかどうか知りたい
- トイレに行きたくてで夜中に何度も起きる
- 頻尿に市販薬は有効なのか医師の意見を知りたい
- 頻尿は治るのかどうか知りたい
Q . おしっこをしてもまたすぐに行きたくなります。
症状は、定量的に測らないと自分が感じていることが異常なのかわからず、ずっと悩み続けることになります。
自分のおしっこがどれくらい出るのか調べるためには、100圴一で購入した計量カップで測ってみることをおすすめします。わざわざコップを購入しなくても、ビールの缶(350ml)、500mlのペットボトルをカットして使ってみましょう。
計ることで、膀胱のおしっこを溜められる容量が100mlしかなくトイレが近いのか、300ml溜められる容量があるのにも関わらず、不安でトイレにはやく行っているのかあるいは尿の量が多いのかなどの原因が特定できてきます。
※どのように異常なのかは検査してみないと原因はわかりません。
1時間かけて200mlの水分をゆっくり摂って、1度に300mlのおしっこが出れば問題ありません。これができない場合は、病院にいらしてください。
さらに、この方は「出し切った」と言っていますが、そもそもおしっこに悩まない人は出し切る気持ちを持って排泄しません。
踏ん張っておしっこをしていること自体が、頻尿の原因となる不自然な排尿方法です。
- 1回に300mlのおしっこがでる
- 1日6-7回おしっこがでる
- いきんでない
- 途中でおしっこが止まったり出たりしない
- 終わった後はスッキリ!
のように排尿しています。これが正常。
当てはまらない人は、不快なおしっこの仕方も変えていく必要がありますね。
Q. 夜中に必ずトイレへ行きます。
夜寝ている間にトイレにいくことはおねしょと同じ。つまり、夜一回起きることは異常と考えてよろしいです。
前日寝る前にたくさん飲んだから夜中にトイレに起きる場合は問題ありませんが、飲んでいないのにも関わらず、この症状を抱えているなら病院で身体を調べてみることをおすすめします。
まずは、1回にどれくらい尿量がでているのかを自分で知ることからはじめましょう。
頻尿には原因がさまざま、膀胱が小さくておしっこが近くなっているのか、他の原因が隠されていることもあります。
それを特定するために、どのくらいの尿量が出ているのか把握しておく必要があるのです。
Q. 水分を控えても尿意があります。
もしトイレに行かなくてもいいのに行ってしまうのであれば、習慣によるものや心因性の頻尿の可能性もありますね。
トイレに行って安心するなら何回行ってもいいです。しかし行ってもスッキリしないなら、不快なおしっこの仕方が原因。
急いでいくほど残尿感が出るので、トイレにいくのを待ってください。私が言うのは我慢するのではなく、「トイレにいくのを待つ」。楽しいことや仕事の後回しにするってことです。
それだけで、スッキリしたおしっこの仕方につながっていきます。
Q. 頻尿に市販薬は効きますか?
1番重要なのは、市販薬を飲んでいる時は症状がよくなり、飲まないと身体がどうなるのかみてみてください。どうして薬を飲んで自分の体が治ったのか自己評価してください。
例えば、有名なハルンケアは、膀胱の緊張をとる薬。
その薬で良くなったから私は膀胱が小さいのかもしれない。じゃあ、大きくなるトレーニングすれは薬はいらなくなる!
といったような考え方なら薬がいらない生活につながりますよね。
しかし、大抵の人は、「薬飲んで治ってよかった」と思っているだけ。また何かあれば薬を頼る生活となり根本的な原因に向き合えません。
市販薬を飲んで良くなったのは身体に何か問題があるということ。市販薬は効く人はいますが基本必要ありません。
Q. 頻尿の治療方法を知りたいです。
病院に行ったら、どういうことをして頻尿だと診断されるのですか?また、治療は薬ですか?
当院では主に、問診・尿検査、場合によってはレントゲン検査をします。
頻尿で病院にいけば、性器をみられるのでは?先生に触られるのでは?痛いことをされるかもしれない…と不安に思う方もいるかもしれません。
そのような心配はいりません。尿検査だけでほとんどのことがわかります。
先ほどの回答でもお話しましたが、夜間に水分はとっていないのにも関わらず、夜中にトイレに起きることは異常。
膀胱が小さければトイレは近くなるし、膀胱に尿が溜まっていなくても不安でトイレに行きたくなる場合もあります。
膀胱周囲の臓器が腫れているからか、膀胱自体の刺激反応なのか、頻尿には理由が必ずあるのです。
それを尿検査で特定し、治療方針を決めていきます。
Q. 「たけしの家庭の医学」で紹介された足踏みは頻尿に効果的ですか?
例えば、デスクワークでずっと座りっぱなし、車椅子で1日中過ごしている方などは、下半身の血管外に水分が溜まってくるので、昼間に尿が造られなくなるんです。
なので、ベッドに入って足が上がったときに腎臓に戻る血流が多くなり、夜間頻尿が起こります。
そういった方には、日中に足をパタパタとゆっくり動かしたり適度に運動を取り入れるよう指示します。
足踏みは下半身の血行促進という観点からは効果的と思います。
院長が答える「そもそも頻尿の基準はなに?」
上記の質問にもあったように、自分のこの症状は頻尿なのか、そうではないのか悩んでいる方を結構見かけます。
一般的には、朝起きてから就寝までの排尿回数が10回以上の場合を「頻尿」と言われています。
しかし、1日の排尿回数は環境や人によってさまざまですので、排尿の回数だけで頻尿と捉えてはいけません。
何度も言うように、1回にどのくらいの尿が出ているのかを把握していくことが大切です。
回数だけで頻尿を考えることはおすすめしません。
まとめ
今回は、皆さんが抱える頻尿に関するお悩みを院長が回答しました。
頻尿はトイレにいく回数を気にする方がいますが、一番大切なことは自分の排尿量をしっかりと把握すること。
きちんと自分の体の中で何が起こっているのか原因を探りましょう。そうすることでトイレのお悩みも解決していくでしょう。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など