残尿感に悩んでいるが病院に行っても解決しない、薬を飲んでいるが中々解決しない、何度も繰り返す。
そのような方に向けて、当院が行っているアドバイスを事例を交え紹介していきます。
紹介するのは、書籍「気持ちのいいオシッコのすすめ」の著者でもある、北海道旭川市「神楽岡泌尿器科」院長 渋谷 。
残尿感にお悩みの方は、解決方法を参考にしてみてください。
残尿感に悩む方の4つの事例紹介
4つの残尿感に悩む方の例と実際の私からのアドバイスを紹介します。
事例1:「おしっこした後もスッキリしない」
Aさん(48歳/女性)
残尿感があり、他院の内科に受診。膀胱炎として抗生物質が出されるが、1週間後症状が残っていると再度受診していうと別の抗生物質を出された。その後も症状はよくならず、当院へ受診。
- 尿所見は問題なし。
- つまり膀胱炎の診断自体問題あり。
- 排尿量は少なく、尿意を恐れるあまり、水分補給は少なかった。
・尿が膀胱にしっかり溜まってから、息まずに排尿することを指導(1回排尿量300mlが目処として)
・排尿量の検査をすると排尿量は500ml(膀胱はむしろ大きい方)でした。
事例2:「おしっこした後尿道がむずむずする」
Bさん(32歳/男性)
排尿時の不快感、性病ではないか?と受診。
- 尿所見は正常。
- 細菌の検査、性病検査も異常なし。
- 長時間の座り仕事で飲水量が少ない状況。
・排尿指導(十分に尿が溜まってから息まず排尿すること) 不快感が無くなりスッキリしたと。前立腺炎の治療を並行する。
事例3:「出産後歩行時やくしゃみの時に漏れる」
Cさん(32歳/女性)
咳やくしゃみでの尿漏れ、残尿感があり受診。
膀胱容量は正常だったが、漏れないように早め排尿、トイレに行かないように水分制限をしていた。漏れるのが心配で何か行動前に先に排尿する習慣があった。
・ちょっと待ってから排尿し、排尿時は息まないことを指導。
・十分な水分摂取を促す。 元々、膀胱機能は正常なので、十分に尿を溜まればスッキリ排尿できる。 訓練が進み、失禁の訴えがなくなれば処方も中止する予定。
事例4:「おしっこした後もすぐトイレに行きたくなる」
Dさん(53歳/女性)
頻尿で排尿後すぐにまた行きたくなる。
- レントゲンで宿便が多量。
- 水分摂取量も少ない。
- 肥満傾向もあり。
- 排便でいきむ習慣があり。時間を決めて排尿排便している。
渋谷医師からのまとめ
いずれの症例も、尿意という自律神経の司令が出る前に自分の意識(大脳での司令)でトイレにいく習慣がありました。
その際は、十分な膀胱からの尿意が起きていないので、いきみを必要とする排尿をします。
その結果、膀胱や尿道括約筋の充血が起こり、排尿後の不快感(残尿感)が起こりやすくなるのです。
以上で紹介したアドバイスは、書籍書籍「気持ちのいいオシッコのすすめ」にも書かれていますので参考にしてみてください。
参考画像:Amazon
残尿感を解消するポイントとしては
- 十分な水分摂取(1日2リットル目処)
- おしっこはしっかり溜めて排尿する。目安は膀胱に300cc程。
感覚がわからないと思うので、100円ショップで大きめの計量カップを買って、それをおしっこ計量量に使うのがいいですね。ビールや太いお茶の缶(350ml)、500mlのペットボトル上3分の1をカットしてもいいですね。大体でいいのです。
詳しい残尿感の解消法についてはこちらの記事も参考にしてください。
もし、「残尿感」でお悩みの方は一度お近くの病院へ受診してみてください。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など