「おしっこしたのにまだ残っている感じがする」「おしっこした後もスッキリしない」排尿に違和感を感じている、そんな尿トラブルの悩みを抱えていませんか?
おしっこをした後にも残った感じがすることを「残尿感(ざんにょうかん)」といいます。
おしっこは毎日出るもの。そんな時に毎回不快感があればストレスですよね。
でも、なんとか生活に支障はないから大丈夫、放っておけば治ると思っているのは危険。残尿感を感じているのは、重大な病気が隠れているのかもしれません。
そこで今回は、書籍「気持ちいいおしっこのすすめ」から、残尿感についての基礎知識、生活での解消法を紹介します。この記事では、おしっこの悩みから解放され、毎日気持ちのいいおしっこする方法を学んでいけます。
排尿の悩みを根本的に解決しましょう!
残尿感を感じても要因はそれぞれ異なる
残尿感とは、排尿後に膀胱に尿が残っているように感じられる症状です。
具体的な症状として、
- 尿意があってトイレに行くけれど尿があまり出ず、常に違和感がある
- 最近急に尿が残る感じするようになった…トイレも近くなった気がする
- 残尿感のほか、排尿時に違和感や痛みがある
残尿感には2種類あり、膀胱に尿が残っていないのに感じている場合、膀胱に尿が残って感じている場合があります。
また、疑われる要因もそれぞれ違います。
膀胱に尿が残っていないのに感じる場合 | 膀胱に尿が残って感じている場合 |
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上記にあげた、残尿感を引き起こす疾患について以下の記事も参考に詳細をご確認ください。
残尿感を解決するには「おしっこの仕方」を変えること
様々な病気が原因となっていることもある「残尿感」。残尿感で病院に受診し治ったとしても、その後も日常で残尿感に繰り返し悩まされることもあります。
そうならないためには、「自分で治そう」といった意志が必要です。
その意志を応援するべく、自宅で尿の悩みを解消できる書籍「気持ちのいいオシッコのすすめ」から紹介します。
参考画像:Amazon
私は長年、泌尿器科医として多くの患者さんをみてきました。
排尿に悩みを抱える人には、おしっこの仕方にある共通点があります。
それは「いきんで排尿する」です。
本来のおしっこの仕方は、全身の筋肉をゆるめ、大きな解放感と共におしっこがでます。そして、排尿中も排尿後もとっても「気持ちいい」ものです。
この「いきまないおしっこ」が自然な排尿の仕方。
いきむほどよくないことはありません。
おしっこの時いきまないで、自然にほとばしらせる習慣を幼い頃から自然に身に付けている人は、成長過程でも大人になってからも、おしっこに悩むことはありません。
では、早速「いきまないおしっこをする方法」を紹介!
解決方法1「水分摂取を意識して、チビチビと飲む」
おしっこトラブルに悩む人に実践していただきたいのは、しっかりと十分な水分を摂取すること。
目安は1日2リットルをチビチビと飲みます。
水分摂取が大事な理由は、腎臓機能を助け、尿管→膀胱→尿道を続く尿路の健康と衛生を保つためです。
しかし、実際に1日2リットルの水分を摂取するのは、難しく続けられないという人も多数います。
以下のポイントも参考に毎日続けてみましょう。
- 10時間かけて1時間200ccずつが目安(一般的なマグカップは200cc)
- 夕食後(寝る前)は、水分補給しなくていい
解決方法2「おしっこはしっかりと溜めてから排尿する」
おしっこは「たっぷり溜め込んでから一気に排出」をします。それが快感!
快感オシッコ派の人は、だいたい300cc前後は溜めてトイレにいきます。
それを1日7回くらい、だいたい2リットルのおしっこができれば腎臓にはなまるです。
人間の膀胱ポンプはその倍近く、500ccくらいのおしっこを溜めておけます。
不快なおしっこをしている人は、100〜200cc溜まっているとトイレに行ってしまいます。なので、「しっかり溜めてから脱力して排尿しましょう」と伝えます。
すると、「自分ではやってます」と大抵の患者さんはいいます。
その人にとっては、今までのチビチビと排尿することが普通だったので、医者に言われても体感しないとわからないのです。
そんな人には、自分が1回にどのくらいおしっこを出しているのか、計算してみることをオススメします。
100円ショップで大きめの計量カップを買って、それをおしっこ計量量に使うのがいいですね。
神楽岡泌尿器科医 渋谷先生の「残尿感」の見解
まずは、
- 「残尿感」には何が問題なのか
- 残尿感を感じていても実際に尿が溜まっていない場合もあるので気のせいなのか
- おしっこの仕方による体の使い方が悪いからなのか
これらを知るために病院にきて欲しいです。
また、紹介する「気持ちいいオシッコのすすめ」の本に書いてある「気持ちいいおしっこができない」場合も病院にきてください。
僕が、おしっこの仕方を教えてあげます。
「残尿感」を感じて病院へ行かない人は、その先を知るのを怖いと思っている人もいます。ネットの情報を読んでいるだけでは怖くなる一方で治りません。
怖がらずに、病院で相談し一緒に解決していきましょう!
実際に、「残尿感」で悩む患者さんが、上記で紹介した「おしっこの仕方」に取り組み解決した症例もまとめたので、こちらの記事も参考にしてみてください。
まとめ
今回は残尿感の基礎知識と解消法について紹介しました。
まずは、残尿感を感じたら何が原因になっているのかを明確にするために病院へ受診することをオススメします。
そして今後の残尿感に悩まされないよう「おしっこの仕方」で気をつけるべきポイントを臨床経験からお伝えしています。
残尿感に悩んでいる方は、書籍も参考に実践してみてください。
北海道旭川市にある神楽岡泌尿器科は、「排尿のかかりつけ医」になることを目指し、患者本位で、気軽に緊張せずに受診していただける病院づくりを目指しています。
「オシッコのことで悩んでいる」「気持ちのいいオシッコについて知りたい」という方は、院長による無料メール相談も行っておりますので、まずはお気軽に疑問点や懸念内容をご相談ください。
病院まで来られない方々にも往診で対応可能です。患者さんご本人だけでは無くご家族の方々からのご相談にもお答えします。
⇒子どもが大好きな院長先生はどんな人?
【著作・メディア掲載など】
- 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行』
- 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
- 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
- 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など