身体の悩みはなかなか人に相談しにくいのではないでしょうか。ネットで調べてみても、情報が正しいのかよくわからないかもしれません。
だからといって、病院で聞くのも怒られそうで怖い……と思うことも。
性のことは人に相談しにくいですよね。
このような皆さんの疑問や質問を、神楽岡泌尿器科の院長である渋谷先生に答えてもらいました!
今回の質問は……これはこれでなかなか聞きにくい「マスターベーション(オナニー)」について。
なかなか人には聞けないマスターベーション(オナニー)のことも、渋谷先生がしっかりと説明してくれます!
ちなみに補足として、オナニーという名称は、マスターベーションをしすぎて神様に怒られた男の子の名が由来だそうです。
マスターベーション(オナニー)で健康を害することはありません


マスターベーション(オナニー)をし過ぎて健康に悪いということもないのだそう。普通は健康を害する前に飽きてしまうということですね。

やはり性欲は本能です。本能に逆らわず、欲望のままマスターベーション(オナニー)をしてほしいと思っているそう。

マスターベーション(オナニー)してるくらいがちょうど良い

性欲があるということは元気な証拠でもあるのです。死にそうになったらしたくなくなるものです。

マスターベーション(オナニー)はそんなにしたくない!


太古の昔から人間の体は「そういうふう」にできているのだそう。オーガズムに達した後で攻撃されたり、殺されたりするのを防ぐために、脳が理性的になる仕組みになっているからだといいます。

人間には3大欲求があります。「食欲・性欲・睡眠欲」
お腹が空いてないのに、昼休みにランチを食べるから太ってしまうのです。空腹になったタイミングの食事は、皆さん知っているとおり、本当においしく感じるものです。
睡眠も同様です。無理に早く寝ようとするから寝れない。ちょっと眠くなってきたというタイミングで眠るのがいいのです。

そもそも マスターベーションとは何なのか?
そもそもマスターベーションは、日本語で「自慰」と呼ばれる行為です。
他にも「オナニー」「一人エッチ」「手淫」など、様々な言い方があります。
その語源はラテン語の「手(manus)」と「乱す(tarbare)」に由来すると言われており、自分自身で性器やその他の性感帯を刺激し、快感を得る行為を指します。
①マスターベーションの研究
マスターベーション(自慰行為)は、動物界全体に広く見られる普遍的な現象です。
しかしこれまでその進化的起源や目的が謎に包まれていました。
最新の研究では、霊長類においては少なくとも4000万年前から、環境への適応を目的とした様々な理由によってマスターベーションが行われてきた可能性が明らかになりました。
ユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの進化生物学者マチルダ・ブリンドル率いる研究チームは、霊長類の自慰行為に関する400以上の出版物と論文を分析し、史上最大規模の比較データを用いて、時代や種を超えたマスターベーションの進化の過程を追跡しました。
研究者たちは、動物全般、特に霊長類において自慰行為が広く確認されているにもかかわらず、その進化の歴史に関する系統的な比較研究がほとんど存在しなかった点を指摘しました。
これまで、「病理説」や「はけ口説」といった仮説が存在しましたが、これらは自慰行為を進化的な目的とは無縁な、単なる性的衝動から派生する行為とみなしていました。
しかし、近年の研究では、特にオスにおいて、自慰行為が病気の予防や繁殖成功度の向上といった進化的利点を与える可能性が示唆されています。
この研究は、これまでタブー視されがちだった動物の自慰行為に科学的な光を当て、その進化的な意義を探る上で重要な一歩となるものです。今後の研究によって、自慰行為が動物たちにとってどのような適応的な利点をもたらしてきたのか、より深く理解が進むことが期待されます。
(参考:VICE「自慰の起源は4000万年前──その進化上のメリットが明らかに」)
②男女のマスターベーションの違い
マスターベーションの方法は、男性と女性で一般的に異なります。
▶男性の場合:
手を使って陰茎を握り、射精に至るまで上下にしごくように刺激することが一般的です。
▶女性の場合:
指で陰核(クリトリス)を優しくマッサージしたり、膣の中に指を入れて刺激したりする方法がよく行われます。性器だけでなく、乳首やアナル(肛門)など、人によって様々な部位が性感帯となり、刺激されることがあります。
③女性がマスターベーションをするのはごく普通のこと
男性のマスターベーションには、定期的に精液を排出するという生物学的な理由があると言われることがあります。しかし、実際には、単に性的な衝動を解消したり、気分をすっきりさせたりするためにマスターベーションをする男性も多いでしょう。
性欲は男性だけでなく、女性も自然に感じるものです。
女性がマスターベーションを通じてスッキリしたいと感じることは、決して不自然なことではありません。マスターベーションをすることによる身体的な悪影響も特にありません。
マスターベーションによって気分がすっきりする、リラックスできるといったメリットを感じているのであれば、女性が習慣的にマスターベーションを行うことは全く問題ありません。
さらに、初めてのオーガズムをマスターベーションで経験し、それがきっかけでセックスでのオーガズムのコツを掴み、パートナーとの性行為がより充実したと感じる女性もいます。このように、女性のマスターベーションは、カップルにとってもプラスになる可能性があると言えるでしょう。
マスターベーションは、自分自身の体や性的感覚を知るための大切な手段の一つです。罪悪感を持つ必要は全くありません。自分自身の心と体の声に耳を傾け、心地よいと感じる方法で、自然な欲求を満たすことは、心身の健康にも繋がります。
健康的なマスターベーションの方法
マスターベーションは、誰かに教わる機会も少なく、書籍や動画で得た知識を基に、何となく行っている方もいるかもしれません。
しかし、健康的な性機能を維持するためには、「適切なマスターベーション」の方法を理解しておくことが大切です。
とくに男性は要チェックです。
①「適切」なマスターベーションの定義
「適切なマスターベーション」とは、単に快楽を得るだけでなく、将来的なED(勃起障害)や腟内射精障害などの性機能障害を予防し、健全な性生活を維持できる自慰行為を指します。
つまり、将来のパートナーとの満足のいく性生活を送るための、自己管理の一環として捉える必要があるのです。
特に10代〜20代前半は性欲が旺盛で、より強い刺激を求めがちです。
しかし、過度な刺激や実際の性行為とかけ離れた不適切な方法による一時的な快感の追求は、長期的に取り返しのつかない影響を及ぼす可能性があるため、十分な注意が必要です。
②知っておきたい「不適切」なマスターベーション
では、具体的にどのようなマスターベーションが不適切なのでしょうか?
それは、実際の性行為とはかけ離れたシチュエーションや過度な刺激を与えて射精を促す行為です。
不適切な方法で自慰行為を続けてしまうと、通常の性行為の刺激では物足りなくなり、射精困難に陥り、重症化すると腟内射精障害を引き起こす可能性があります。
▶強グリップ:
ペニスを過度に強く握って行う方法です。手の圧力は腟内の圧力をはるかに上回るため、この方法に慣れてしまうと、実際の性交時に十分な刺激を得られなくなるリスクがあります。適切な握力の目安は「卵を握る程度」とされています。
▶過度な速さでの刺激:
通常の性交では実現不可能な速さで刺激を与えると、実際の性交時の動きでは満足な刺激を得られなくなり、射精障害につながる可能性があります。
▶床オナ:
床や布団に対してペニスを擦りつける自慰行為です。不完全な勃起状態でも射精が可能になってしまうため、重度のED(勃起障害)や腟内射精障害を引き起こすリスクが極めて高いと言われています。
これらの不適切な習慣は、一度身につくと改善が難しく、最悪の場合、骨盤底筋の機能障害や神経損傷に至るケースも報告されています。改善のためには、まず現在の習慣を完全にやめ、適切なマスターベーションの方法を理解した上で実践することが重要です。若い頃から正しい習慣を身につけることを強く推奨します。
③実践!「適切」なマスターベーションの具体例
健全な性機能を維持するためには、実際の性行為に近い刺激を再現することを意識しながらマスターベーションを行うことが重要です。
▶適切な握力:
陰茎への過度な圧力を避け、「卵を握る程度」の優しい力加減を心がけましょう。これは腟内の自然な圧力に近い状態を再現することを目的としています。
▶適切なスピード:
実際の性行為と同等以下のスピードを維持し、ゆっくりとした動きでも快感を得られるように身体を慣らしていくことを意識してください。その際、全身の力を緩め、緊張を解くことがポイントです。
▶包皮を剥いた状態で行う:
なるべく包皮を剥いた状態で行うことで、実際の性交時の刺激により近い状態を作り出すことができます。包皮を亀頭上でスライドさせる動きは実際の性交では再現できないため、避けましょう。
まずは【優しく握る・ゆっくり動かす・包皮を剥いて行う】の3つの要素を基本としてください。
まとめ
この記事では、マスターベーション(オナニー)にまつわる疑問について、神楽岡泌尿器科院長、渋谷先生に教えて頂きました。
マスターベーション(オナニー)が健康に悪い、し過ぎは悪影響がある、というのは迷信だったということですね。
三大欲求である食欲、睡眠欲、性欲に従って「したければする」というスタンスで、健康に過ごしていきましょう!
ところで、渋谷院長先生はどんな人?
【著作・メディア掲載など】
- 2014年 『「気持ちいいオシッコ」のすすめ』(現代書林)刊行
- 2016年 『現代の赤ひげ 医療最前線の名医9人』掲載
- 2016年 『週刊新潮』(10/27 号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(4月号)掲載
- 2020年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載
- 2021年 『メディアあさひかわ』(5月号)掲載

【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など