今般、テレワーク化が進み1日の大半を座って過ごす方が増えてきました。その結果、テレワーク特有の環境が原因で頻尿に悩まされる方が臨床にもいます。
特にこの悩みは男性の方に多くみられます。
急にトイレが近くなった感じがする、さっきトイレ行ったばかりなのでまたいきたい…
自分の身体は一体どうなってしまったのか?
テレワークで頻尿になる原因と解決方法を現役医師の渋谷が解説するのでぜひ参考にしてみて下さい。
テレワークで頻尿になる理由
テレワークで頻尿になる主な理由は、前立腺に負担がかかると尿の状態が変化したり、下半身の血行障害による慢性前立腺炎となることが多いためです。
テレワークだとなぜ前立腺に負担がかかるのか?その理由は大きく3つです。
- 長時間の座り仕事などで下半身の血流が悪くなるから。
- 仕事に集中するあまり、水分摂取が少なくなり、尿の濃縮度が上がるから。
- 運動不足による下半身の筋力低下が起こりやすいから。
一見、テレワークと頻尿と関わりがないように思えますが、同じ体勢をとり続けているだけで前立腺に圧力がかかり、頻尿につながってしまう場合があります。
もちろん、デスクワークの方全員が頻尿のリスクがあるわけではありませんが、仕事をするために適切な机や椅子が用意しにくく、出勤時間がなくなり運動量が減るテレワークは一般的なデスクワークの方よりも頻尿のリスクが高いです。
自分が頻尿なのかわからないセルフチェック
テレワークをしておしっこが近くなったと感じたとはいえ、果たして、自分が頻尿なのかわからない人もいるでしょう。
そういった人は、排尿日記でセルフチェックすることをおすすめします。
頻尿で病院に行くのをハードルに感じられる方は、『排尿日記』で自分の排尿のことを良く知ってから受診すると医師とのコミュニケーションもスムーズに進み、原因もよりわかりやすくなります。
排尿日記の書き方として、『トイレに行った時刻、尿量、尿意、尿もれの有無』の4項目を3日間程度つけます。
頻尿の原因は様々あります。
例えば、膀胱に溜められる尿量が元々小さいためになっている、精神的なもの、水分量など人によってバラバラです。
なので、排尿日記で数値化し、診察や今後の治療方針として役立てていくのです。実際に、数値にすることで安心できることもありますよ。
排尿日誌はこちらを印刷して使ってみてください。
テレワークで頻尿を改善する方法
テレワークでの頻尿を改善するには、快感おしっこをマスターするといいでしょう。
快感おしっことは、泌尿器科がおすすめする効果的な頻尿改善トレーニング方法で、ペットボトル・紙・ペンがあれば簡単にできます。
- 十分な水分摂取(少しづつ、1日2000mlが目処です)
- 適度に立ってトイレに行くこと(適度な歩行です)
- おしっこは溜めてからする
- おしっこの不安から脱却
- 排尿日誌をつける
頻尿を改善するために必要なことは、1時間に200ccずつ、合計1日2リットルの水分摂取をすること。
膀胱の機能を弱らせないために尿意がきたら10分程度我慢してから”いきまずに”おしっこをすることです。
会議の前や大切なクライアントとの打ち合わせの前はお手洗いになんとなく行きがちですが、尿意が来る前の早めのおしっこが頻尿の原因になっている方もいらっしゃいます。
排尿日誌を付けておしっこを意識する習慣を身に着けるだけでも、頻尿が改善する方もいます。
自宅のトイレで気兼ねなく排尿日記を付けられるテレワークの時だからこそ、今のうちに頻尿改善に取り組んでみてはいかがでしょうか。
頻尿だけど注意したいこと
頻尿の方がやりがちで一番してはいけないのは、”水分摂取量を減らす”ことです。
頻尿が気になるからといっても、意識的に水分摂取量を減らしてはいけません。
頻尿の方こそ十分な水分摂取が必要です。あと、トイレに行く、物を取りにいったり、コーヒーやお茶を入れに行ったりなどの適当な歩行が必要です。
水分を摂取することで、おしっこを作る腎臓機能を助け、尿管→膀胱→尿道と続く尿路の健康を保つ効果が期待できます。
もちろん、頻尿で夜眠れなくなるという方は、夕食以降の水分摂取量は控えたほうがいいですが、日中の水分摂取量まで減らす必要はありません。
まとめ
今般、テレワークがきっかけで初めて頻尿になってしまった方も多くいらっしゃいます。
自分が頻尿かわからない方は、まずは排尿日記でセルフチェックを行うところからはじめ、水分摂取量を減らさないように快感オシッコで改善トレーニングを行ってみてください。
とはいっても、「いきなり泌尿器科に行くのは恥ずかしい…」、「病院に行くほどは困ってはないかも…」と敬遠しちゃいますよね?
そんな方には無料メール相談を試してみてください。神楽岡泌尿器科では、院長による無料メール相談を行っているため文章でお好きな時間にご相談ください。
監修:医療法人 神楽岡泌尿器科院長 渋谷のプロフィール
1961年(昭和36年) | 旭川生まれ |
1980年(昭和55年) | 道立旭川東高等学校 卒業 |
1988年(昭和63年) | 札幌医科大学 卒業 |
神楽岡泌尿器科では、「排尿に関してのかかりつけ医になりたい」という思いで日々診療に努めており、早期発見・早期治療ができるよう、患者本位で気軽に緊張せず受診していただける病院づくりに励んでいます。
当院を映像でもご覧いただけるため、雰囲気を知りたいという方はぜひご覧ください。
出版年数 | 著書・メディア掲載 |
2014年 5月15日 | |
2016年 5月10日 | |
2016年 10/27号 |
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など