神楽岡泌尿器科でも、体調に様々な影響を及ぼす、腸内フローラ、腸内細菌には神楽岡泌尿器科、医院長先生も注目しており、「泌尿器科の腸活情報」を更新しています。
これまでも、「腸内環境とダイエット」のことや、「腸内環境と免疫力」についてもお話してきましたが、今回は、もっともっと基本的なこと、腸内細菌のことを掘り下げてわかりやすく解説したいと思います。
腸内フローラに細菌は、なんと約100兆個もいるそうです!
また、腸内細菌は大きく、ヒトにとって有用な働きをする細菌である善玉菌、病気や食中毒の原因となる細菌である悪玉菌、いずれにも分けられない日和見菌の3つに分けられ、その種類はおよそ1000種類にもなるそうです。
腸内細菌の中でも一番多いのは日和見菌で、その次に善玉菌、悪玉菌が続きます。
目次
・善玉菌(大きく分けると4種類)
・悪玉菌(大きく分けると3種類)
・日和見菌(大きく分けると3種類)
・まとめ
100兆個の腸内細菌の種類 数
善玉菌 悪玉菌 日和見菌の3種類も、善玉菌4種類 悪玉菌3種類 日和見菌3種類の、おおよそ10種に分類できます。
では、それぞれに何て名前のどんな細菌がいるのか見てみましょう!
1.善玉菌(大きく分けると4種類)
・ビフィズス菌(善玉菌)
出典:https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/knowledge/bacteria
乳酸菌の一種で、主に大腸にすみつき、乳酸や酢酸を作って腸内環境のバランスを整えます。また、腸管を適度に刺激して腸管運動を促進する働きもあります。
・フェーカリス菌(善玉菌)
出典:https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/knowledge/bacteria/
これも同じく乳酸菌の一種で、主に小腸にすみつき、ビフィズス菌やアシドフィルス菌の増殖をサポートします。腸内での増殖が速い乳酸菌です。
・アシドフィルス菌(善玉菌)
出典:https://www.biofermin.co.jp/nyusankin/knowledge/bacteria/
乳酸菌の一種で、主に小腸にすみつき、悪玉菌の増殖を抑える働きがあります。乳酸菌の中でも特に乳酸を作る能力に優れています。
・ガセリ菌(善玉菌)
出典:https://news.mynavi.jp/article/20121211-a204/
小腸に多く住みついていて、腸内の悪玉菌の増殖を抑えます。
2.悪玉菌
・黄色ブドウ球菌(悪玉菌)
出典:https://www.city.maebashi.gunma.jp/soshiki/kenko/eiseikensa/gyomu/5/1/1/4078.html
人の体表面、鼻咽腔、消化管、膣などに常在細菌として住みついている細菌で、特に黄色ブドウ球菌は、胃・小腸で吸収され嘔吐中枢を刺激して嘔吐を引き起こし、下痢を誘発します。
・ウェルシュ菌(悪玉菌)
出典:https://www.fukushihoken.metro.tokyo.lg.jp/shokuhin/micro/uerusyu.html
主に大腸に住みつき、腸内のタンパク質を食べて有害物質を出します。水様性の下痢・軽い腹痛を引き起こします。
・大腸菌(有毒株)(悪玉菌)
出典:https://www.pref.mie.lg.jp/SHOKUSEI/HP/shokuhineisei/35022030884.HTM
大腸菌のうちほとんどは無害ですが、一部の大腸菌は人に対して病原性を持ち、「病原性大腸菌」と呼ばれます。その名の通り大腸にすみつき、腸内の腐敗を促進して、便秘や下痢などの便通異常や免疫力の低下を招きます。
3.日和見菌
・バクテロイデス(日和見菌)
出典:https://institute.yakult.co.jp/bacteria/4223/
ヒト腸内における最優勢菌群の1つです。普段は無害ですが、体の中で本来無菌状態であるべき部位(血管や腹腔内)に入り込むことによって感染症を引き起こします。一方、免疫のバランスを正常に保って腸の炎症を抑制している可能性もあるそうです。
・大腸菌(無毒株)(日和見菌)
出典:http://www.osaka-kyoiku.ac.jp/~deno/my_hp/SEM/Ecoli1.html
大腸菌のうち大半は無害です。腸内の正常な微生物叢(マイクロバイオーム)の一部を構成し、ビタミンK2を生成して血液の凝固を助けたり、腸内で病原菌のコロニー形成を防止するなどの働きをします。
・連鎖球菌(日和見菌)
出典:http://www.fujimoto.or.jp/tip-medicine/lecture-147/index.php
非病原性のものもありますが、病原性のものは化膿・扁桃炎、猩紅熱、肺炎などを起こします。
●まとめ・結論:体の中にはたくさんの共同住人がいる!
一つ一つはとても小さいですが、およそ1000種類にも及ぶ腸内細菌が約100兆個も人間の腸の中に住みついており、その総重量は約1.5~2kg ((+_+)) もあるそうです。
最近の研究では、腸内フローラの状態により引き起こされる病気や、精神症状があるということがわかってきて、難治性の病気の治療に、腸内フローラの移植などで成果をあげている事例も出来てきました。
以前、NHKの番組でも、大胆な行動を取る、高いところからも飛び降りる活動的なラットの腸内フローラを、慎重な性格で高いところから降りられないラットに移植することで、慎重な行動が大胆になり、高いところから飛び降りれるようになった衝撃の映像がありました。
このように、私たちは、自分の性格や意思という単一のものという思い込みがありますが、実は、意思や感情にも、腸内細菌など複合的な要因があることがわかってきたことから、いかにバランスよい食生活、運動など、自分の気持ちだけではない、腸内細菌などとのお付き合いが大切かがわかります。
当医院では、エンテロといって腸内細菌のバランスや調子を整える腸活情報を更新しています。ぜひ、みてくださいね!
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など