はじめに
皆さんは現在、健康でいることは何よりの幸せだと感じているのではないでしょうか?
社会全体が感染症対策など意識が高まる中で、健康的な生活をする上切り離せないのが「腸内フローラ」
今回はストレス多い社会で「腸内フローラ」は私たちの体にどのように関わっているのか、「ストレス」と「腸内フローラ」の関係性をご紹介します。
ヒトが宿す100兆個の腸管内微生物集団「腸内フローラ」は、近年私たちの健康に欠かせない様々な働きを有することが明らかとなってきています。
脳と腸は自律神経でつながっており、脳でストレスを感じると視床下部、 下垂体、副腎系の活性や交感神経の興奮によって、自律神経や内分泌系を介して内部臓器に影響を与えます。さらに、極度の不安や緊張にさらされていると、腸内の悪玉菌が増加するという研究がNASAや震災後の変化の調査で明らかになっているように腸内フローラとストレスは密に関わりあっているのです。
引用:藤田 紘一郎 人間総合科学大学
はじめに
腸内フローラとストレスの関係
腸内フローラとストレスの関係の歴史
一般的なストレスが体や心に及ぼす影響
ストレスを減らす、軽減する、改善する方法
腸内フローラの整え方、改善方法
・食事のバランスをしっかりとる
・朝のコップ1杯の水を飲む
・乳酸菌を摂取する
・体を動かす
・自然と親しもう
まとめ
腸内フローラとストレスの関係の歴史
腸内細菌叢を対象とした研究は1960年代に活溌におこなわれてきました。2010年代には、腸内フローラの状態がうつや認知症などの脳機能や脳活動に影響しているという、いわゆる「脳腸相関」の存在が研究され、腸内フローラの状態が脳の働きやさまざまな疾患と関連することも明らかになってきています。さらに、従来の“ストレスと腸内フローラ”に関する研究は,主としてストレスが腸内フローラの構成にどのように影響しているかという方向(ストレス→腸内フローラ)からアプローチされてきた。一方,最近の研究では、腸内フローラが成長後のストレス応答にどう影響しているのか(腸内フローラ→ストレス)が明らかになりつつあるのです。ストレスと腸内フローラとの関連は一方向性ではなく,双方向性に作用していることが今後どんどん明らかになっていくでしょう。
一般的なストレスが体や心に及ぼす影響
腸と脳は密に関わり合っているということがわかった今、一般的にストレスの概念はストレッサーが物理的要因(騒音、化学物質など)にとどまらず、心理的要因(不安や緊張など)まで拡大し捉えられています。
では、ストレスを感じることで身体にどのような影響があるのでしょうか?
腸内環境が悪い状態の時、悪玉菌が増えて優位に立っているときです。
悪玉菌が増えると、免疫力の低下で感染症にかかりやすくなったり、風邪をひきやすかったり、肌荒れ、病気、鬱状態、便秘・下痢など、さまざまな症状が身体に起こります。
さらに、ストレッサーが長期間続いたりすると、活気が低下して、元気がなくなっていき、これが慢性化しいわゆる「うつ」の状態になっていくケースもあるのです。その他にも不安障害などの精神疾患のリスク因子となります。
ストレスを減らす、軽減する、改善する方法
現代は「ストレス社会」と呼ばれ、生きていく中で全くストレスを感じないという生活は難しいです。なので、ストレスを感じても対処する方法を身につけておく方が賢明です。
ストレスを感じると体に症状が出てきます。下痢や便秘などはその例ですね。
まずは、体調の変化にいち早く気づき、とにかく休んで一息つくことです。
「休む」この一言がストレス対処法です。皆さん上手に休めていますか?
腸内フローラの整え方、改善方法
腸内フローラは年齢や生活習慣に応じて、数や種類は変動しています。菌の数や割合は一人ひとり異なります。なので一概に「この菌が適している」という万人に共通する解決策はないのです。
また、免疫力の 70%が腸でつくられ、後の30%はこころ、特に自律神経が関与しているといわれています。
善玉菌を摂るように意識することは大切ですが、一つの菌に偏るのではなく、バランスの良い腸内環境を保っていくことが重要です。
そのためには
・食事のバランスをしっかりとる
食事の内容は野菜・食物繊維・発酵食品を柱とし腸内細菌を育てていく。
・朝のコップ1杯の水を飲む
起床したら、まずはコップ1杯の水を飲んでみる。副交感神経が活発化し自然な便意がもよおされます
・乳酸菌を摂取する
腸内環境の健康維持に必要な乳酸菌の量は、ヨーグルトで言えば1日200g程度
・体を動かす
適度に体を動かすことで、ストレスを感じにくい状態になり、さらに体を動かすことでストレスの軽減に効果があるそうです。
・自然と親しもう
自然の中にいるとストレスが緩和され癒される経験はないですか?その感覚が大切なんです。
明日にでも取り組めそうなことばかりですね。
まとめ
ストレスにより腸内フローラが乱れ、身体にも様々な症状がでてくることがわかりました。
さらに、腸内フローラが乱れていることでストレスを感じやすくなる。腸内とストレスは互いに深く関わっていて私たちの体は繋がっているのだと実感しました。
ストレスケアも腸内ケアもバランスよく日々積み重ねて健康な身体を作り上げてくださいね!
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など