腸内フローラとは?腸内フローラにこだわる医師が教える、腸内フローラの基本、基礎知識

はじめに

書籍やメディアなどで注目されている「腸内フローラ」が、病気や体調に大きく関係するといわれ近年では様々な研究がされています。

今回は「腸内フローラ」の基礎知識、さらには医師による腸内フローラを整える方法もお伝えしますのでぜひ読んでみてくださいね。

ヒトや動物の腸内に住む細菌を腸内細菌と呼び、その集団を「腸内フローラ」と呼びます。ヒト一人のおなかに棲む細菌の数は約100兆から1,000兆個と言われ、顕微鏡で腸の中を覗くと、それらはまるで植物が群生している「花畑」 のように見えることから「腸内フローラ」(花畑= フローラ)と呼ばれるようになりました。

近年、「腸内フローラ」は免疫細胞の活性化に関与していること、腸内細菌の減少が癌やアレルギーの増加と関係があることなど、腸内細菌が我々の人生や健康に大きな働きをすることが明らかになってきています。

引用元:川崎医療福祉学会誌 「腸内フローラと健康」

 

目次

はじめに

腸内細菌の種類 役割

腸内細菌と、体や心の調子、関係について

腸内フローラを良くする方法

■食べ物

■私生活の工夫

まとめ

 

腸内細菌の種類と役割

腸内細菌の種類は大きく3つに分類されます。1つは「善玉菌」と呼ばれ、乳酸菌やビフィズス菌などがよく知られています。2つ目は「悪玉菌」で、ウェルシュ 菌やブドウ球菌などがあります。3つめが「日和見菌」で、腸内の状況によっては善玉にも悪玉 にもなる細菌です。

「善玉菌」の特徴は、乳酸や酢酸などをつくり腸内環境を整え、腸管を適度に刺激して腸管運動を促進させます。「悪玉菌」は、タンパク質などを腐敗させて 有害物質をつくり、老化や発癌性物質と関係があると言われています。全体の2割を「善玉菌」1割を「悪玉菌」残り7割を「日和見菌」が占めています。

ヒトの腸管内には多種多様な細菌が互いに共生、あるいは拮抗的な関係を保ちながら複雑な腸内フローラを形成しています。これらの腸内細菌は食物の分解、物質の代謝、疫賦活あるいは病原性菌の腸管内での定着・増殖抑制など様々な生理活性を有し、ヒトの健康に深い影響を及ぼしているのです。

一方、宿主における生活での食習慣、ストレス、薬物投与、加齢などは腸内フローラの構造に大きな影響を及ぼしています。

腸内細菌の体や心の調子、関係性について

脳と腸は自律神経でつながっていて、脳から指令が出だされるとともに腸からも情報が脳に伝えられ情報を共有しています。例えば、大切な入学試験や国家試験の直前のストレスでおなかが痛くなる ということがこれに相当します。つまり体ばかりでなく、こころの問題についても,両者は互いに影響し合っているのです。

腸内細菌はさまざまな代謝物質を排出しています。腸内細菌が作りだす物質には心の健康を保つ物質と体の健康を保つ物質がありますが、これらには共通部分も多いことが分かっており、体の健康を維持・向上させるために必要な腸内細菌が、心の健康状態をよくする方向にも役立っているのです。つまりストレスケアにも配慮すれば心、身体、腸のよりよい循環を生み出せる可能性があるのです。

ヒトの様々な外的要因によっても腸内細菌は変化しており、心も体も全て一つに繋がっています。

 

腸内を整える、腸内フローラを改善させる方法

腸内細菌について長年研究し様々な書籍を出している「藤田 紘一郎 」さんからの情報を元に腸内環境を整える方法をまとめました。

 

■食べ物

腸内環境を整えるために、食材で直接菌体を摂取することで腸内環境をかえるアプローチが一般的です。

まず腸内細菌の餌である穀類野菜類豆類果物類などの植物性食品を摂取すること。

食品中の防腐剤や添加物は腸内細菌を弱らせるので、そのような物質が多量に含まれている食品を摂取しないことが大切です。手づくりの穀類や野菜類・豆類をつかった食品をとり、あまりファストフ ードやコンビニ食などを食べないことである。

さらに腸内細菌を増やすには、発酵食品を採る。納豆やキムチ、ヨーグルトなどに含まれている細菌が体の中に入ると、腸内細菌が増えるからである。

 

■私生活の工夫

免疫力の残り30%はこころが決めている。

・笑って、楽しく生活する

・自然に人と親しもう

・適度に運動する

・ポジティブな思考をしよう

・規則正しい生活を送る

食生活や日常生活の工夫で腸内環境は整い自然と免疫は高まっていくです。

 

まとめ

腸内にはたくさんの細菌がいて、私たちの体や心を大切に守ってくれる役割を果たしてくれていることがわかりました。さらに、私たちの普段の生活から、賢く働いてくれている腸内細菌を良くも悪くもしてしまうのです。もし、今不調を感じていれば、まずは食事や生活を変えてみてはいかがでしょうか?