ダイエットをするのは「美しさ」や「若々しさ」を維持するため。
それなのに、間違った食事や運動で、「若さ」「美しさ」を損なっている場合があります。
ダイエットというと、普段と異なった特別な食事や特別なトレーニングなど、きつい、厳しい生活を思い描きがちですが、腸内環境を整えるのは、特別なことではありません。普段の生活にちょっと一工夫、ちょっとワンアクションプラスする。そんな簡単なことなのです。そのちょっとした工夫と行動を紹介していきます。
腸内環境を整えると痩せるってほんと?
腸内環境を整えるとどうして痩せる=腸内環境が悪いと太りやすいということです。腸内環境によい者と悪いものを見ていきましょう。腸内環境に良いものは、主に発酵食品。納豆やヨーグルト、キムチ、味噌、チーズ。これらには善玉菌が含まれます。腸内環境をよくするには、善玉菌だけでなく、善玉菌の餌となるものが必要です。食物繊維を多く含む、海藻や野菜。特に水溶性食物繊維を多く含む食事をすると良いでしょう。善玉菌と善玉菌のエサを合わせて取ると、善玉菌が短鎖脂肪酸を作り出し、これが脂肪燃焼効果が高い=ダイエットに効果的となります。
逆に腸内環境に悪い食べ物はどんな食べ物かというと、「味の濃い」「脂っこい」食事。「砂糖たっぷり」のお菓子です。腸内環境によい食事は、「味の薄い」「脂っこくない」「砂糖を使わない」食事です。
腸内環境を整える食事は、ダイエット向きで、腸内環境を悪くするものはダイエットに向かない食事だとわかるでしょう。とはいえ「天丼や甘いドーナッツを食べたい」「体にいいものだけ食べる生活は無理」と誰しもが思うでしょう。毎日、健康なものだけ食べて、体に悪いものは一切撮らないというのは、現実的ではありません。そんな生活を続けられるのは、芸能人やスポーツ選手など特殊な職業の人だけです。
ですから、私たち一般の人は、何が腸内環境に良い食べ物かを知って、日々の生活で少し取り入れる。そうした「ちょっとたす」ことで「腸活」していくのがベストです。
いつもの食事に一工夫!〜腸内環境をよくする食習慣
野菜や海藻をとると言っても、それが習慣にならなければ意味がありません。ダイエットや勉強など、新しいことを始める時に起こりがちなのが、初めの1週間は毎日頑張ったけれど、その後が続かない。毎日続けられる摂取方法と注意点を紹介します。
食物繊維〜朝の飲み物にちょいたし!
朝、牛乳や豆乳、プロテインなどと一緒に、季節の果物や野菜をブレンダーなどで細かくしてスムージーとして摂取するのもおすすめです。食事で野菜を取ろうとすると、一緒に塩分も取ることになりますが、この方法だと、塩分を摂取しないというメリットがあります。
忙しくて外食が多いという人は、イヌリンやデキストリン、オリゴ糖など食物繊維の粉末は、無味無臭ですので、牛乳やコーヒーなど朝の飲み物に追加するのもおすすめです。
食事=腸活は、毎日のことですから、続けられる簡単なことから取り入れ習慣にすることが大事です。
味噌汁にちょいたし!
最近は、お味噌汁を毎日飲む家庭も減っているかもしれません。一人暮らしだと、わざわざ一人分作らず、インスタントで済ませている方も多いでしょう。インスタントの味噌汁に、わかめや納豆、ネギをちょいたしすることで随分と栄養価は高まります。乾燥わかめや納豆、ねぎは、1日2日ですぐに傷んでしまう食材ではありませんので、冷蔵庫に常備して、インスタント味噌汁を飲むときに加えてみてください。ねぎは、まな板と包丁でなく、キッチンバサミで使う分だけ、微塵切りすればOKです。
野菜〜消化機能が弱っている人は注意!
野菜をたくさんとると言っても、どんな方法でもいいわけではありません。
例えば、体が弱っていて消化する力が弱い人は、生野菜を多くとると消化不良を起こしますし、サラダのドレッシングは、油分や糖質が多く含まれますので、病後で消化機能が弱っている人などには向きません。スープなどに入れ加熱し、野菜は柔らかく、暖かい状態で食べるといいでしょう。きのこ類は食物繊維だけでなく、ビタミンミネラルを多く含み腸内環境に良いのですが、こちらも消化不良を起こしやすいので、消化機能が弱っている人や高齢で噛む力が弱い人は、細かく刻むなど工夫が必要です。
納豆やキムチなども、意外と消化に悪く、消化器が弱っている人には不向きですが、健康な方にとっては、いつもの食事に一品足すことのできる良い食材です。
ヨーグルト〜糖分の取りすぎに注意!
ヨーグルトも注意が必要です。ヨーグルト自体は、善玉菌を多く含み、短鎖脂肪酸そのものを含む食材です。しかし、大量の砂糖と一緒に摂取するとそのメリットが打ち消されてしまいます。オリゴ糖と一緒に摂取すると、善玉菌+善玉菌の餌となって理想的です。オリゴ糖も、市販のオリゴ糖シロップは、オリゴ糖だけでなく大量の砂糖や糖類が入っています。オリゴ糖自体は本来ほとんど甘みがありません。ヨーグルトは甘み抜きで食べなければ意味がないというわけではないので、砂糖たっぷりはよくないとちょっとだけ意識して、オリゴ糖シロップを選ぶ、いつもよりジャムや蜂蜜を控えめにするよう心がけてみてください。
心身の健康は日々の食事から
こうした食事を継続し腸内環境がよくなると
①短鎖脂肪酸によって脂肪が燃えやすくなる
②老廃物を排出しやすくなる
③便通がよくなる
食事を改善し、悪いものを取り込まないずにいると、腸内環境がよくなって体に不要なものを排出する機能が高まり、活力が湧き、情緒的にも安定し、美肌で、心身ともに生き生きとした状態になります。
食事は毎日のことです。毎日理想通りの生活を送ることが不可能なように毎日、毎食、理想の食事を取ることは不可能です。ですが、日々の積み重ねが重要ですから、いつもよりちょっとだけ意識して、いつもの食事に、一つ腸に良い習慣を加えてみることから、腸活を初めてみてください。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など