【大人の常識】HIVとエイズとは② HIVの感染経路と感染予防

●HIVの感染経路

ケース1 性行為

 HIV感染は、性行為による感染が最も多いです。
 女性は、膣粘膜から、性交による精液に含まれるHIVが侵入することで感染します。
 男性は、性交によって生じる亀頭部分(粘膜)の細かい傷から、膣分泌液に含まれるHIVが侵入することで感染します。
 男性同性間の性的接触では、腸管粘膜から精液中のHIVが侵入します。機械的な刺激の強い膣や口腔の粘膜は重層ですが、腸管粘膜は単層であることから傷つきやすいため、HIVが侵入しやすく、膣性交よりも感染リスクが高くなります。

ケース2 血液感染

 輸血注射器・注射針の共用医療現場による針刺し事故などから、感染者の血液が他のヒトの血管中に侵入することにより感染します。
 輸血については、日本赤十字社で全ての献血血液について厳格なHIV検査を実施しているため、感染の危険性は極めて低いのが現状です(ただし、献血のHIV検査結果は献血者本人にはお伝えしていません)
 医療現場による針刺し事故は、主に医療従事者に関係することです。
 注射針の安全な取り扱い適切な廃棄が重要となります。
 万が一、HIV感染者の血液により暴露事故が起こった場合は、2時間以内に抗HIV薬の予防内服を行うことで、感染の危険性を低下させることができます。

ケース3 母子感染

 母子感染は、出産時の産道感染母乳による感染胎内感染があります。
 母子感染を予防としては以下の6項目があります。
  (1)妊娠初期のHIV検査実施による感染診断
  (2)妊娠中の抗HIV療法
  (3)陣痛発来前の選択的帝王切開術
  (4)帝王切開時のAZT点滴投与(AZT(azidothymidine):エイズの治療薬)
  (5)出生児へのAZTシロップ予防投与
  (6)出生児への人工乳哺育
 上述の内容等の適切な母子感染予防を実施することにより、現在では母子感染率を0.5%未満にまで低下させることが可能となっています。

●HIVの感染確率

 HIVの感染確率は、感染経路やコンドームの使用の有無等により変わります。
 コンドームを使用しないで性行為(膣性交、アナルセックス)を行った場合、感染の確率は約0.1〜1%(100回に1回)と考えられています。しかし、1回のコンドーム不使用のセックスでも感染した人がいるため、感染確率はあくまでも目安となります。
 他の性感染症(梅毒、淋病、クラミジアなど)に発症している場合は、粘膜に炎症を起こしやすくなり、感染確率が数倍増加します。

<暴露経路ごとのHIVに感染する推定確率(コンドームを使用しなかった場合)>

暴露経路(感染リスク)1回あたりの暴露で感染する可能性(%)
輸血90%
静脈注射ドラッグ使用時の針の共有0.67%
アナルセックス(受け入れ側)0.5%
針刺し事故0.3%
膣を使ったセックス(女性側)0.1%
アナルセックス(挿入側)0.067%
膣を使ったセックス(男性側)0.05%
フェラチオ(受け入れ側)0.01% ※
フェラチオ(挿入側)0.005% ※

<職業的暴露における感染率>※男性におけるオーラルセックスのケース

暴露経路(感染リスク)1回あたりの暴露で感染する可能性(%)
針刺し事故0.3%
粘膜への暴露0.09%

参照元:【HIV検査横断マップ】

●HIV感染の予防のために

 HIVは血液、精液、膣分泌液などに多く分泌されるので、それらの体液が粘膜や傷のある皮膚に触れないようにすることが重要です。
 HIV感染の一番多い感染経路である性行為の場合、必ずコンドームを使用することが重要です。オーラルセックスの場合も、口腔粘膜から感染の危険性があるため、コンドームを使用することが大切です。(クリニングスでは、コンドームをハサミで縦向きに切り広げて、膜として使います。デンタルダムというシートも売られています。食品用ラップフィルムも単純ヘルペスウイルスの感染を防ぐというデータがあります)

●HIV感染・エイズの可能性に不安がある。。。→長く悩む前にすぐ相談!

「最近急激に体調が悪化した、傷が治りにくい、感染症になりやすい、もしかしてあの時に、、、」

 このような不安を抱えている方は日本中に沢山いると思います。
 運良くHIVに感染していない場合もあれば、HIVに感染し、最悪エイズを発症しているかもしれません。
 後者の場合は、緊急事態です。自己流の対処法は必ず悪化につながります。
 性病に関することは、恥ずかしくて相談しづらい方がほとんどだと思います。また、今の社会では、仕事が忙しくて時間を作れない人がほとんどではないでしょうか?
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