高血圧の仕組みと治療についてわかりやすい全18問のQ&A形式でご紹介いたします。
ご自身やご家族の健康維持に是非お役立てください。
今回は、「Q17 薬の飲み方で注意することはありますか?」をご紹介いたします。
【過去記事一覧】
Q1 血圧とはなんですか?
Q2 なぜ高血圧を治療しなければいけないのですか?
Q3 高血圧によって引き起こされる合併症にはどんなものがありますか?
Q4 高血圧はどうして起こるのですか?
Q5 高血圧と診断される血圧基準値はどのぐらいですか?
Q6 朝だけ血圧が高くても合併症の危険があるのですか?
Q7 家庭で血圧を測るとき、どのようなことに注意すれば良いですか?
Q8 高血圧と診断されたらどのような治療をしますか?
Q9 メタボリックシンドロームにも高血圧は関係がありますか?
Q10 血圧はどれくらいまで、下げればいいですか?
Q11 食事療法について教えてください
Q12 高血圧で治療中ですが、お酒は飲んでもいいですか?
Q13 高血圧でもタバコは吸ってもいいですか?
Q14 肥満と高血圧は関係があるのですか?
Q15 運動療法はどんな運動が適切ですか?
Q16 血圧を下げるくすりにはどのようなものがありますか?
Q17 薬の飲み方で注意することはありますか?
高血圧のくすりは長期間飲み続けることが基本です。
たとえ、あるときの血圧が低かったとしても、勝手に薬の量を減らしたり、服用を止めてはいけません。
なぜなら、血圧が低いのはくすりが効いているからであって、高血圧が治ったわけではないからです。
また、血圧は1日の中で変動しており、低い血圧が1日じゅう続いているとは限らないためです。
一方、くすりの量を増やすと副作用が強く出ることが出ることがあります。
万一飲み忘れた場合でも、まとめて2回分服用することは一般的には効果が得られないことがあります。
また、くすりを服用していても、減塩や運動はやめずに続けましょう。
その他に、利尿薬を服用中の方は特に夏場の脱水に十分気を付ける必要があります。また、ある種の高血圧の薬(カルシウム拮薬の一部)とグレープフルーツジュースを一緒に服用すると、血圧が下がりすぎる場合があります。さらに、妊娠中に使用できるくすりは限られています。
このように高血圧のくすりにも、飲み方、副作用、他のくすり・飲食物との飲み合わせなど、注意が必要な場合がありますので、くわしいことを知りたいときは主治医や薬剤師にお尋ね下さい。
【監修者】神楽岡泌尿器科 院長「渋谷 秋彦」
札幌医科大学卒業後、大手病院勤務を経て2003年に「神楽岡泌尿器科」を開業。前立腺肥大の手術「HoLEP」を1,000例以上行った実績があり、日帰り手術を実現している国内有数の医師。出版「気持ちいいオシッコのすすめ」など